トランプ大統領と金委員長は相思相愛~求愛をどう喝で示す北朝鮮
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ニッポン放送「ザ・フォーカス」(12月17日放送)に元外務省主任分析官・作家の佐藤優が出演。トランプ大統領の北朝鮮についてのコメントについて解説した。
トランプ大統領「北朝鮮を注視する」と述べる
アメリカのトランプ大統領は、アメリカへの挑発を強める北朝鮮を「注視している」とし、「もし何か準備しているとしたら、失望する。その場合は対処する」とコメントした。さらに「多くの場所を監視している」とも強調したが、これはICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射などに踏み切らないようけん制したものと見られている。
森田耕次解説委員)北朝鮮は「年末までにアメリカが態度を改めるべきだ」と一方的に主張しまして、ICBM関連と見られる実験を繰り返すなどしています。ソウルを訪れているアメリカのビーガン北朝鮮担当特別代表は17日、韓国滞在日程の最終日を迎えています。北朝鮮に対して接触を呼び掛けていましたが、実現したという情報は入ってきていません。埼玉県蕨市の“ピノキオ”さん、男性の方から「北朝鮮の威嚇は本物でしょうか。譲歩を渋っているトランプ政権に対して最終的に金正恩委員長がどんな反応をするのか懸念しています。いずれにしても平和的解決を望むだけです」といただいています。
佐藤)北朝鮮は「トランプちゃん、付き合って」と言っているのだけれど、求愛をどう喝で示すのです。消しゴムや画鋲を投げても振り向かないから、いわば、バキュームカーで家の前まで乗り付けて、ホースを持って立っているのです。出てこないと逆流させると言うわけです。しかし、本当になかに汚物が入っているのか、バキュームカーが本当に稼働するかどうかはわかりません。もしかしたら何も入っていないで、ホースだけ持っているのかもしれない。北朝鮮のやり方はこういう雰囲気です。トランプは「気が付いてるよ」というのですが、まだ家から出てくるまでには至っていません。「逆流させたりしないよね、もしさせたら付き合わないよ」といった感じですよね。
森田)どうせタンクのなかは空なんでしょう? と。
佐藤)しかし、ときどき“ゴボゴボ”と音をさせたりして、脅かしている感じですよね。
北朝鮮も意外に合理的に動くか
森田)それならいいのですが、年末なんて区切ってしまって。17日は金正日総書記死去から8年を迎えたということですが、何か行動を起こさないか心配してしまいます。
佐藤)しかし、そろそろお正月の演説の準備をしていますからね。そこでメッセージが出てくると思いますから、意外と合理的に動くと思っています。もしミサイルを飛ばしてしまったら、本当に終わりになりますからね。トランプの「もし何か準備しているとしたら失望する」というのは裏を返せば「準備していないなら失望しない」ということです。「その場合は対処する」というのは「何もしていないなら対処しない」ということでしょう。だから好きなのです。「好きなのだけれど、邪魔する人がたくさんいるから出ていけないのをわかってよね」といった感じです。ですから、2人の間は相思相愛なのですよね。
ザ・フォーカス
FM93AM1242ニッポン放送 月-木 18:00-20:20
番組情報
錚々たるコメンテーター陣がその日に起きたニュースを解説。佐藤優、河合雅司、野村修也、山本秀也らが日替わりで登場して、当日のニュースをわかりやすく、時には激しく伝えます。
パーソナリティは、ニッポン放送報道部解説委員の森田耕次。帰宅時の情報収集にうってつけの番組です。