実在の漁師バンドが英ヒットチャートを席巻する!
公開: 更新:
【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第760回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。支配人の八雲ふみねです。シネマアナリストの八雲ふみねが観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、1月10日に公開された『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』を掘り起こします。
現役漁師が結成した最年長ボーイズバンドが、メジャーデビュー?!
日本で、“漁師出身の歌手”と言えば、鳥羽一郎。“舟唄”と言えば、八代亜紀。そして、イギリスで活躍している“漁師たちによる舟歌バンド”と言えば、フィッシャーマンズ・フレンズ。
現役の漁師で結成された「フィッシャーマンズ・フレンズ」は、慈善事業の資金集めを目的に、1995年結成。その後、敏腕音楽マネージャー、イアン・ブラウンとの出会いにより、2010年、アイランド・レコードと100万ポンド相当の契約を交わし、メジャーデビューを果たしました。
お揃いのPコートにジーンズ、足元にはワークブーツという飾り気のない男たちが歌うのは、イギリスで生活したことがある人なら耳にしたことがある舟歌や民謡。
いかつい中年男たちが力強い歌声で奏でる美しいハーモニーはすぐさま話題となり、ファーストアルバム「Port Isaac’s Fisherman’s Friends」は全英チャートでトップ10入り。イギリスのミュージックシーンを席巻した異色のコーラスバンドなのです。
そんな彼らが巻き起こす奇跡の物語を映画化した『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』は、本国イギリスで公開されると、あれよあれよと言う間に大ヒット。興行収入10億円を稼ぎ出し、続編の製作も決定しています。
イギリス南西部コーンウォール地方にある小さな港町、ポート・アイザック。この地を旅行で訪れた音楽マネージャーのダニーは、漁師たちで結成したバンド“フィッシャーマンズ・フレンズ”の浜辺ライブを偶然見かける。
「バンド活動はあくまでも趣味」というメンバーを説得し、ダニーは彼らと契約を交わす。仲間と一体となり、伸び伸びと舟歌を歌い上げる男たち。彼らの純粋に音楽を楽しむ姿と固い絆にダニーは心を奪われ、いままでに味わったことのない充実感を味わうのだった。
果たして“フィッシャーマンズ・フレンズ”は、生き馬の目を抜く音楽業界でメジャーデビューすることができるのか? 前代未聞の挑戦が始まった…。
人生には歌とビールと、ちょっぴりのユーモアが欠かせない! 自然豊かな街で仲間や家族に囲まれて暮らす漁師たちと、都会暮らしに疲れ切った音楽業界人のカルチャーギャップを軽やかに描いた、爽快な人生賛歌です。
ちなみに、“リアル”フィッシャーマンズ・フレンズは、本作がきっかけで人気はますます上昇中。2020年3月まで単独全英ライブツアーを敢行するなど、精力的に活動しているとのこと。お茶目で人情味溢れる男たちのサクセスストーリーを、是非、スクリーンで楽しんで。
『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』
2020年1月10日(金)から新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
監督:クリス・フォギン
製作・脚本:メグ・レナード&ニック・モアクロフト
音楽:ルパート・クリスティー
出演:ダニエル・メイズ、ジェームズ・ピュアフォイ、デヴィッド・ヘイマン、デイヴ・ジョーンズ、サム・スウェインズベリー、タペンス・ミドルトン、ノエル・クラーク
(C)FISHERMAN FILMS LIMITED 2019
公式サイト https://fishermans-song.com/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/