新型コロナウイルス~武漢以外の地域はどうなっているのか
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ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」(1月27日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。新型コロナウイルスの感染について解説した。
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【新型コロナウイルス 関空警戒】サーモグラフィーで乗客の体温がチェックされていた=2020年1月23日午前、関西国際空港 写真提供:産経新聞社
新型肺炎~現地武漢の日本人希望者全員帰国させる方針
安倍総理)チャーター機などの手当について目処がついたことから、中国政府との調整が整い次第、チャーター機などあらゆる手段を追求して希望者全員を帰国させることに致しました。
中国の湖北省武漢を中心に新型のコロナウイルスが感染拡大している問題で、安倍総理は現地に滞在する日本人で希望する人は中国政府との調整が整い次第、チャーター機などを使って全員帰国させる方針を明らかにしている。
飯田)28日にも全日空機で、という報道も一部にはございます。アメリカは既に帰国を調整していると、かなり具体的な話も出ています。
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春節を迎え多くの外国人観光客で賑わう秋葉原で、マスクを購入する人=2020年1月25日、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社
武漢の周辺都市も含めて先手の対応をするべき
須田)これが武漢だけでいいのかどうか。伝わっている現地からの情報では、武漢は戒厳令下のような状況に置かれていて、都市としての機能も不全に陥っています。新型コロナウイルスのリスクそのものだけでなく、生活が立ち行かなくなっています。封鎖されていますから、移動もままならない。ここは最優先に帰国させるということも大事でしょうけれども、周辺都市も含めて先手の対応を打って行かなければ、被害者が出るという可能性もあります。
飯田)既に1000人を超える方が感染しているし、死亡者も50人を超えています。他の都市にも飛び火しているのではないかということは、前々から言われていますよね。
須田)武漢は中国を円として考えると、その真ん中に位置しています。その周辺の深圳や香港、上海などで発生しているというのは、その中間都市を含めて、そこに至るまでどういう状況になっているのか。ドーナツ型に感染するということはあり得ませんから。その辺りの情報がなかなか入って来ない、開示されていないということを考えると、最悪のケースを想定するべきではないかと思います。
飯田)中国の大都市には、日本人もたくさんいます。その人たちの安全確保もこの先、必要になって来るということですね。
須田)また発症した日本人の患者の方が、現地の病院できちんと対応してもらえるのかどうか。そのあたりも不透明です。
飯田)もう病院のベッドは満杯のようです。薬も足りているかどうかわからない。
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台湾北部の桃園国際空港で、消毒作業を行う関係者(台湾・桃園)=2020年1月22日 写真提供:時事通信
中国へは武漢以外の地域の情報開示を求めたい
須田)医者の数も足りないとされているわけですから、適切な治療が受けられる可能性は低いですね。それが本当に武漢エリアで留まっているのか、それ以外の地域がどういう状況になっているのか。中国サイドにすみやかな情報開示を求める必要があると思います。
飯田)かつてSARSのときの例ですが、中国から帰って来たというだけで、言われのない差別を受けるということもありました。帰って来た人たちを、そのままお1人お1人自宅に返してもいいのだろうか。
須田)一部に無自覚な感染者がいるということも指摘されています。症状が発症していない人。
飯田)ほとんど症状が出ずに、いきなり倒れるというケースも武漢では報告されているらしいですからね。
須田)いたずらにリスクを恐れるのではないけれども、適切な情報開示が必要です。そういうケースが本当にあるのかどうか。あるのだとすれば帰国した人たちに対しても、それなりの対応をしなければいけないと思います。