海自護衛艦「たかなみ」出航~中東派遣にある2つのポイント

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月3日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が中東へ出航したニュースについて解説した。飯田浩司が休みのため新行市佳が進行を務めた。

海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が中東へ向け、海自横須賀基地を出港した=2020年2月2日午前、神奈川県横須賀市 写真提供:産経新聞社

海自護衛艦「たかなみ」が中東へ出航

中東のシーレーン(海上交通路)を航行する日本関係船舶の安全を確保するため、海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が2日、海自横須賀基地から出航した。2月下旬から情報収集や不審船の警戒にあたり、新たな任務での護衛艦派遣は2009年に海賊対処のためアフリカ、ソマリア沖に派遣して以来11年ぶりとなる。

新行)「たかなみ」は乗員約200人、哨戒ヘリ2機を搭載しています。およそ3週間で現地に到着し、4ヵ月活動した後、次の部隊と交代します。

須田)このシーレーンで日本のタンカーが襲撃されたことを受けての、一連の措置です。ポイントが2つあると思います。1つは調査・研究という目的で派遣されたということ。もう1つは、この派遣に関しては閣議決定のみでOKなのです。国会での了解を取る必要がなく、政府が決定したということです。

イラン学生通信(ISNA)が13日、AFP通信に提供した、オマーン湾で黒煙を上げるタンカーの画像=2019年6月13日 写真提供:時事通信

「調査・研究」という枠組みでしか自衛隊艦の派遣ができない~憲法の枠組みを変える必要があるのではないか

須田)1つめのポイントですが、自衛隊が仮に攻撃を受けた場合には、自衛隊法95条の武器等防護の規定で自らの防衛にあたることはできるのですが、自衛隊以外の日本の船舶が攻撃を受けた場合、武器の使用ができないということです。「調査・研究」という形でよかったのかどうかを、もう1回考えてみる必要があるのではないでしょうか。逆に言えば、これでしか自衛隊艦の派遣ができないという、いまの日本の法律の枠組みでいいのか。場合によっては憲法を含めて、きちんと対応を取る必要があるのではないかということを、国会で議論して欲しいと思います。

艦の前で整列する海上自衛官たち(海上自衛隊-Wikipediaより)

自衛隊艦が行っただけで圧力になるのか

須田)そういった点で言うと、果たして閣議決定のみで派遣してよかったのかどうか、疑問が残ります。何のために派遣をするのか。実務に長けた人に話を聞くと、その海域で攻撃・襲撃をしようとする相手にとってみたら、自衛隊艦が行っただけで圧力になると言います。向こうの人は調査・研究で来ているとは知らないわけだから、何かしたら反撃されるのではないかという威圧感に意味がある、とする人がいますが、それでいいのかどうか。攻撃を受けた場合にどう対処するのか、きちんと決まっていない状況のなかでの派遣は中途半端すぎる。そのためにもきちんと議論して、しかるべきシステムをつくるべきだと思います。

米主導有志連合が本格始動 米主導の有志連合の司令部発足式典に出席する関係者ら=2019年11月7日、バーレーン・マナマ(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

法律解釈が自衛隊の現場に委ねられていることは問題

新行)何かあったときの判断が委ねられているのが現場であって、どう判断すべきなのか、かなり難しいところを迫られて来ますよね。

須田)判断を迫られるのだけれど、法律でがんじがらめになっていますから、攻撃を受けた場合にどういう形で反撃をすることができるのか。そもそも反撃そのものがいいのかどうかというところも、法律解釈が現場判断であるところが問題です。それが後々問題になるケースもあるし、場合によっては法律の範囲を超えてしまうということもありますから、丸投げ状態に置かれている自衛隊には、相当な負担が掛かります。

新行)これが今後、議論されて行くということはあるのでしょうか?

須田)して行くべきでしょう。日本という国がいちばん問題なのは、問題が発生した後、つまり攻撃を受けた後にしか議論が始まらないのですよ。事前に議論して手続きを踏むのではなくて、何か問題が発生しないと動くことができない。これがいちばんの問題です。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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