情報収集衛星「光学7号機」打ち上げ成功~日本が問われる情報収集システムの構築

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月10日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。政府の情報収集衛星を載せたH2Aロケットが打ち上げられたニュースについて解説した。

情報収集衛星「光学7号機」打ち上げ成功

三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、政府の情報収集衛星を載せたH2Aロケットを鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げた。今回の衛星は2015年に打ち上げた衛星の後継機で、宇宙から地球を監視する事実上の偵察衛星である。

飯田)デジタルカメラのような仕組みで撮影して、北朝鮮のミサイル発射施設の動向把握などに使われるということです。「光学7号機」という名前です。

情報収集衛星「光学7号機」打ち上げ成功~日本が問われる情報収集システムの構築

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

日本が問われる情報収集システムの構築

須田)軍事衛星と言ってもいいと思います。デジタルデータが整備されているおかげで、タイムラグが若干ありますけれども、24時間体制で北朝鮮のミサイルデータ情報の収集が可能になっている。デジタル情報の収集という点では、日本は世界のトップ水準にあるけれども、もう1つはヒューミント…人の動きや思惑・動向、人に関わるところの情報収集能力が日本はまだまだレベルが低く、ここを独自に引き上げる必要があります。現状では、外国の情報機関との連携が大前提になっています。もちろんアメリカとの連携もあるなかで、特に韓国の国家安全企画部と連携をして来ましたが、韓国サイドが期待にそぐわない、或いは信頼性がおけないというなかで日本はどうすべきなのか。デジタルデータとヒューミントは車の両輪ですからね。そのなかで情報収集システムを構築するということが、今後問われているのだと思います。

飯田)情報収集ですけれども、外的にも日本国内においても縦割りが指摘されていて、警察の公安や公安調査庁、外務省にも情報の部署があり、防衛省にもそういう部隊がある。そこの横串が通らないということは昔から言われています。この状況はNSC(国家安全保障会議)ができて、少し変わったのでしょうか?

情報収集衛星「光学7号機」打ち上げ成功~日本が問われる情報収集システムの構築

犯人を発見した警察犬、ガリバーをなでる北村滋本部長=2009年11月3日 写真提供:産経新聞社

国家安全保障会議(NSC)の事務局長は警察庁出身の北村氏

須田)国家安全保障局の局長ですよね。北村さんという警察出身の方が就かれています。日本は第二次世界大戦前までは、外務省と軍部が情報収集及び分析を担っていました。戦争の反省から、戦後は外務省が一手にそれらを担う仕組みになり、外務省主導でした。局長も初代は外務次官が就くという形になった。ここへ来て北村さんがバトンタッチを受けたのだけれども、いきなり自衛隊がというわけには行かないということです。とはいえ、警察と自衛隊は人事交流しています。それもあり、戦後のなかで外務省、警察或いは自衛隊へという流れになるのか、実は注目すべきところです。やはり外務省となると、安全保障関連のデータ収集や、日本はそれをやらないと言われているけれども、工作活動についてはレベルが劣ります。諸外国との関係においても、イコールパートナーになり得ないので、そこは自衛隊ないし警察がパートナーを務めるべきではないかと思います。ただ1つ問題があって、そこに対する政治のハンドリングというところです。警察出身の北村さんがポジションに就いたことは高く評価していますが、それにしても安倍さんのイエスマンすぎるかなと思います。そういう点では、谷内さんの方が是々非々で臨んでいたスタンスでした。

飯田)官邸と大声で喧嘩をしていた、というような話も出ていますね。

須田)今後、スペシャリストとして然るべき、官邸と大声で喧嘩ではないけれども、是々非々で臨めるような人に就いてもらいたいと思います。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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