世界を翻弄させた美少年作家、J.T.リロイとは何者?
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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第777回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、2月14日公開の『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』をご紹介します。
2000年代半ばの米文学界最大のスキャンダルの真実がいま、語られる!
アメリカ文壇に彗星のごとく登場し、時代の寵児となった美少年作家J・T・リロイ。世界的なセレブリティやアーティストから熱烈に支持され、映画『サラ、いつわりの祈り』(2004年)の原作者としても知られる彼ですが、その実像は、2人の女性が創り上げた架空の人物でした。
2000年代半ばに一大スキャンダルとして報じられた衝撃の事件が、J・Tの分身を担ったサヴァンナの視点から初めて映画化されました。
親元を離れたサヴァンナは、兄のパートナーで作家のローラと出会う。ローラは自分の小説を“J・T・リロイ”という架空の美少年名義で出版し、ベストセラーとなっていた。
「彼のイメージにピッタリ」ということから、ローラに頼まれ、男装してJ・Tに扮することになったサヴァンナ。最初は遊び半分のつもりだったが、やがて小説の映画化が決まり、J・Tの存在は文壇だけでなくハリウッドやカンヌをも魅了することに。虚像はますます一人歩きし、拡散されて行く…。
サヴァンナ役を演じるのは、新生『チャーリーズ・エンジェル』にも出演している人気女優のクリステン・スチュワート。50ドルで雇われ、いわば“操り人形”のようにJ・Tの分身としてカリスマに変貌して行く様を、スリリングかつドラマチックに体現しています。
そしてローラ役には、『マリッジストーリー』で第92回アカデミー賞助演女優賞を受賞した、名女優のローラ・ダーン。複雑なキャラクターを巧みに演じ、鮮烈な印象を放っています。
さらに共演にはダイアン・クルーガー、ジム・スタージェス、コートニー・ラヴら実力派俳優たちが名を連ね、“嘘に基づく”真実の物語を完成させました。
サヴァンナは何故、ローラに言われるがまま、数年間にわたって偽りの美少年“J・T・リロイ”を演じ続けたのか? そして、その“嘘”が明るみになったとき、彼女たちが見た“光景”とは…。
あなたはこの衝撃的事実を、どう捉えますか?
『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』
2020年2月14日(金)から新宿シネマカリテ&YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開
監督・脚本・製作総指揮:ジャスティン・ケリー
原作・脚本・製作総指揮:サヴァンナ・クヌープ
出演:クリステン・スチュワート、ローラ・ダーン、ジム・スタージェス、ダイアン・クルーガー、コートニー・ラヴ
原題:Jeremiah Terminator LeRoy
(C)2018 Mars Town Film Limited
公式サイト http://jtleroy-movie.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/