新型コロナ~学校でクラスターは発生しない
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月18日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。大阪市が明らかにした小中学校の給食費の無償化について解説した。
大阪市が給食無償化
大阪市は17日、新型コロナウイルスの感染拡大への経済対策として、市立の小中学校の給食費を4月から無償化する方針を明らかにした。小中学校とも給食費を無償化するのは、政令指定都市としては初めてとなる。
飯田)もともとは2021年度の実施に向けて検討していたということですから、1年の前倒しです。
佐々木)学校がなくて給食が食べられないので、共働きの家庭は大変なのです。
飯田)学童は開いていても、昼食は持たせるか、小遣いを渡してコンビニで買って行かせなくてはならない。
給食は偉大なこと
佐々木)長引くと健康にも影響があるので、給食は偉大だったのですね。
飯田)長い休みに入ると、栄養状態が悪くなってしまう子どもがいるということは、以前から社会問題化していましたよね。
佐々木)貧困家庭で親御さんが食事を用意できなくて、給食が最後の砦になっているところもあります。全校休校要請は命令ではないのですが、感染症の専門家から批判が出ています。コロナウイルスはクラスター感染と言われています。クラスターとは小集団で一斉に感染してしまうことです。厚労省の専門家会議の発表では、換気の悪い場所、多くの人が密集している場所、近距離で会話や声を出すことがある場所を避けるべきだということです。ライブハウスやパーティー会場などで感染しやすい。何もないところに1人の感染者がいて、その人が普通に暮らしていても、感染はせいぜい1人くらいまでにしかうつらない。
飯田)ウイルスが遠くまで飛ぶことはないから、ということですよね。
専門家から指摘~学校でクラスター感染にはならない
佐々木)そういうことですね。クラスターという密集した場所に行くと、1人の感染者から8人~10人に拡がってしまう。そのクラスターさえつくらなければ、感染はしない。そして専門家の意見を見ていると、学校はクラスターではないということです。そもそも子どもは、換気の悪い場所で密集して喋らない。
飯田)教室は窓を開け放っていることも多いし、遊ぶときは外に出ます。
佐々木)授業中は先生が話していて、子どもは1人ずつ答えるだけです。休み時間はみんな外に出ます。ずっと教室のなかに留まっているわけではない。だからクラスターにはなりくいのです。
学童や自習室のほうがクラスター感染する危険が高い
佐々木)逆に全校休校にしてしまうと、学童にみんなで集まったり、自習室に行ったり、そちらの方がクラスター化する危険が高い。だからクラスター感染が起きているということは、感染が起きた小集団を検査して、隔離するというやり方の方が正しいということです。
飯田)全国で休校というのは、あまりに構えが大きすぎる。
佐々木)そうなのです。だから様子を見ていて、「あの学校で感染が発生したらしい」となった瞬間に、その学校の校区を学級閉鎖にするというやり方の方が正しいというのが、専門家の共通認識のようです。
飯田)クラスターが見つかったところを叩いて行く。そうすると、学校単位やクラス単位になる。
佐々木)全国休校でももちろんいいのだけれど、それをやると逆に経済や、親御さんの負担が増えてしまう。その問題が大きすぎるので、専門家が常に言っているのは経済への悪影響と、クラスターをもぐら叩きのように潰すことを、同時並行でうまくやるのが大事なのだと。今回の件に関して言うと、クラスターを潰すのに大きくかまえすぎて、経済への悪影響がないがしろにされ過ぎているという話のようです。
クラスターを1つ1つ潰して行けば大丈夫
飯田)なるほど。だからここに来て、全国一律の学校閉鎖要請はそろそろ取り下げようか、という話が出ているのですね。
佐々木)19日の専門家会議の結論を経て、見解を決める。4月1日に新学期が始まるわけで、これに合わせて全校自粛要請は取り下げ、もう1回学校を普通に戻しましょうということです。いまのところは、クラスターを潰して行けば大丈夫だということが専門家の共通認識になっているので、そのやり方でやるのでしょう。厚生労働省ではクラスター対策班という専門家の集団ができて、この活躍が注目されています。
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