緊急事態宣言延長で調整~ポイントは効果の表れる“2週間後の数字”
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月30日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。緊急事態宣言の延長について解説した。
政府が緊急事態宣言延長へ向け調整
安倍総理)5月6日に緊急事態が終わったと言えるかどうかについては、依然厳しい状況が続いているのだろうと思います。ただ、いまここで私が判断することはできないのでございまして、専門家の皆様にご意見を賜りたいと思っております。
これを受け、政府は新型コロナウイルスの感染増加に伴う緊急事態宣言を延長する方向で調整に入ったことが、29日に複数の政府関係者によって明らかになった。
飯田)4月16日から全国に宣言が拡大されて、30日で2週間になります。もともとの緊急事態宣言が7日に出てから3週間が経ちました。29日に報道が流れて、もはや既定路線かなというようなことになっています。
鈴木)政権幹部2人に直接取材をしましたが、最終決定に関わる人たちなので、総合的に判断しなければいけないと、慎重な言い方はしていました。特に専門家会議を含めた分析です。まだ感染者は減っていないけれど、一部では少し鈍化している状況をどう見るか、しっかり聞いた上で決めなければいけないという返事でした。ただもう少し突っ込んで話を聞くと、いまは緊急事態宣言が全国一斉に出ていますが、かなり地域差があるということです。ゴールデンウィークの人の流れと、ゴールデンウィークが終わった後の日常の人の流れは、地域によって違います。いまはゴールデンウィークの人の流れだから、旅行へ行ったり帰省したり、県境を越えるわけです。
飯田)全国で動く。
外出自粛の効果が表れるのは2週間後
鈴木)しかし日常の人の流れになると、経済圏や仕事の関係で、ある程度エリアが限られて来ます。そういうことで、部分的に解除する。それも1つの県だけではなく、その県と経済圏を共にする周辺の2つか3つくらいの県は外すとか、そんなことも可能性としてはゼロではないという言い方です。もう1人の政権幹部が言っていたのは、外出自粛の効果は1週間~2週間くらいで出て来るものです。となると、ゴールデンウィークの効果はさらに2週間後に出て来ます。少なくとも、ゴールデンウィークが終わってから2週間くらいは、全国で継続して緊急事態宣言という可能性もあるということを言っていました。その辺を含めてどう判断するかですが、延長の可能性はいまのところ強い感じがします。
飯田)いまの自粛は2週間後くらいに数字が遅れて出て来ることも考えると、5月31日まで延長ということが一部報道では出ていますが、それもあながち根拠がないことではないのですね。
鈴木)そうですね、2週間というのが1つのポイントです。いま出ている数字だって、昨日の結果の数字ではないのです。時差があって、1週間~2週間前に我々が頑張っていたとすれば、その結果がいまの数字に出ている。そのように遅れて出るということになると、2週間を余計に取って行かなければいけないのだろうと思います。
飯田)16日の全国拡大からちょうど2週間ということは、きょう(30日)辺りからようやく結果の数字が出て来るわけです。
鈴木)そうなのです。東京都の幹部とも話したのですが、29日は47人。28日は3桁だったのですが、その前の2日間は2桁で数字が低かった。これは休日で検査ができていないという背景もあるのだけれど、2週間前から始めたものの数字だとすれば、前向きに捉えられます。知事も公のコメントとしては言わないけれど、もしかしたら少しだけ光が見えているのかも知れないと言う幹部もいます。
経済への影響があることを前提に考えるべき
飯田)経済への影響も踏まえて考えて行かなければいけません。
鈴木)自民党の幹部と話しましたが、「経済への影響は間違いなくある」という前提に立って、どんな手を打つかを考えないと、いまある経済を守ろうとすることによってスピードは遅れるわけです。経済的な影響はあるから、これはもう財政出動しかありません。そういう意味では補正が成立しますが、すぐに次のことをやらなければいけません。
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