黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)にピップ株式会社・代表取締役社長の松浦由治が出演。家業を継ぐまでの経緯について語った。
黒木)今週のゲストは、ピップ株式会社・代表取締役社長の松浦由治さんです。新型コロナウイルスの影響でどの会社もテレワークが多くなり、自宅でデスク仕事をするため、肩こりの方も多くなりました。
松浦)私どもで独自に調査した結果、77%くらいの方が、体に不調をきたしたというデータがあります。肩こりに限らず、腰痛など、体に不具合が出ています。そこに対してどうアプローチをするかということが、1つのテーマだと思っております。
黒木)市場は変わって来ていますか?
松浦)買い物をする回数が減っていると思いますので、どちらかというと、ネットでの販売額は上がっているようです。それから、必要なものはお買いになるのですが、「ちょっとあったらいいな」という商品は敬遠されているようです。私どもの商品は、いますぐに必要なものではなく、「あったらいいな」となってしまうので、「このような体の不調でしたら、このエレキバンを使っていただいた方がいいですよ」ということを、もっとアピールをする必要があるのだと思います。その辺の情報発信が弱かったですね。
黒木)コマーシャルの力は大きいですからね。
松浦)特に今回はお家にいらっしゃる時間が長かったので、テレビを観るケースも増えたと思いますし、CMの影響はあったと聞いています。
黒木)家業を継ぐという決心をされたのは、いつごろなのですか?
松浦)大学2年生くらいのときです。どこかの企業に修行に行った方がいいということで、「どこでやりたいか」と父が言うものですから、商売はやはり大阪でしょうと思い、関西にある企業さんに、4年ほど勉強させていただきました。
黒木)別の企業で勉強なさって、戻っていらして、すぐにアメリカに行けとお父様に言われたのですね。
松浦)まったく聞いていなかったのですが、帰って来たら「来年からアメリカに行ってこい」と言われ、3年ほどアメリカに行かせてもらい、まったく違う世界での生活を経験しました。非常に有意義であったと思います。
黒木)関西弁から、いきなり英語圏になって。
松浦)もともと東京人ですから、関西弁も大変だったのですが、英語はもっと大変でした。
黒木)アメリカ時代に、「セールスというものは会社を売り込むのではなく、自分を売り込むこと」だということを学ばれたと。
松浦)セールスの人が、新しい得意先を持ったときに、どういう商売をやるのかと聞いたところ、「まずは自分自身を売り込んで、自分を信用してもらってから商売に入るんだ」と言っていたものですから、日本とあまり考え方は変わらないのだなと思いました。アメリカ人はもっとドライで、ビジネスライクなのかと思っていたら、ウェットな部分もあるのだなと感じました。
黒木)いい経験になりましたか?
松浦)そうですね。自分がいままで育った環境とはまったく違うところで、違う人たちと知り合うことができました。しかし、考え方が必ずしも違うということではなく、同じようなところもあれば、独特な部分もあるということで、人間が幅広くなったと思います。
松浦由治(まつうら・よしはる)/ピップ株式会社 代表取締役社長
■1958年、東京都大田区育ち。
■早稲田大学卒業後、1984年に三星堂(現Paltac)入社。物流・営業・人事を経験。
■1988年「ピップフジモト(東京)」入社後、1989年、米国P&Gでセールスアシスタント修行。
■1992年、東京に戻り、業務改革・小売・商品開発・卸等を指揮。
■2005年に社長就任。
■2010年、東西事業会社の合併でピップ副社長に。2018年に社長就任。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳