日本に170羽しかいないシマフクロウを守るために

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に日本野鳥の会・レンジャーの嶋村早樹が出演。絶滅危惧種を守るという活動について語った。

嶋村早樹

黒木)今週のゲストは日本野鳥の会でレンジャーとして活動されている、嶋村早樹さんです。ここ数年の活動で、自然環境の変化を感じることはありますか?

嶋村)やはり年々、鳥の数の違いや繁殖、子育て面での変化はいろいろ感じています。身近なところでは、スズメやツバメが減っていると言われています。反対に増えている鳥もいますし、これまで日本では繁殖していなかった鳥が、日本で子育てをするようになったということもあります。それらは気候の変動など、いろいろな原因があると思います。このような変化を日々感じています。

黒木)そうしたなかで、どのようなことをされているのですか?

嶋村)野鳥の会では活動がいくつかあるのですが、絶滅危惧種を守る活動もしています。北海道の東部だけにしか暮らしていない、シマフクロウという大型のフクロウがいます。いま日本には170羽くらいしかいない鳥です。そうした鳥を守るための活動をしています。シマフクロウはすごく大きな鳥で、羽を広げると180センチくらいになります。

黒木)そんなに大きいのですか。

嶋村)そんな大きな鳥が子育てできるような、大きな木というのも減っています。そのため、大きな巣箱を木にかけて、巣箱を使って子育てができるようにします。また、川に魚が少なくなっているので、生簀に魚を入れて子育てのお手伝いもします。さらに、開発問題があります。高速道路やレジャー施設などの開発によって、シマフクロウが生活できる場所がなくならないように土地ごと買い取ったり、保護区にすることもします。

黒木)子供を産んでもらわなければ、減って行く一方ですからね。

嶋村)鳥を単体で保護するというよりは、鳥が自然のなかで生きられるように、環境ごと守るという活動をしています。

黒木)もともと鳥がお好きだったのですか?

嶋村)田舎育ちだったので、自然や生き物がすごく好きでした。保育園が山のふもとにあり、園庭で遊ぶよりは、山に遊びに行くことが多かったのです。そういう自然体験を子供のときからしていたことが、いまにつながっていると思います。

黒木)自然と触れ合うのは、小さいころからの癖なのでしょうね。空の色や飛んでいる鳥、鳥の鳴き声などで、癒されるという気持ちになりますね。

嶋村)保全するというだけでなく、親しみを持ってこの景色が好きだなと思うこと。「この鳥がいる風景はいいな」と思うだけで、何かあったときにこの場所がなくなりそうになれば、それを守る活動や、署名だけでも参加したいと思えるようなきっかけになったらいいです。

小冊子『ゼロからわかる バードウォッチングBOOK』(発行:日本野鳥の会)

嶋村早樹(しまむら・さき)/日本野鳥の会 レンジャー

【日本野鳥の会】
■野鳥の保護・調査研究、自然環境の保護を目的として創立された会員制の公益財団法人。
■1934年に創立。2011年に公益財団法人化された。
■会員数:約3万5000人/サポーター数:約1万6000人
■事業の大きな柱は2つ。
(1)野鳥や自然を守る事業
・野鳥保護区の拡大と維持管理
・IBA基準生息地の保全
・絶滅のおそれのあるツル類などの保護―― など
(2)野鳥や自然を大切に思う心を伝える事業
・サンクチュアリなどでの野鳥ファン拡大
・入門用冊子類の配布や広報
・ハンディ図鑑の販売
・ティーチャーズガイドの発行―― など

【レンジャーとは……】
■レンジャーは「人と自然の架け橋となる存在」。
■野生鳥獣の生息地の保全と、人と自然のふれあいの場という大きな役割を持つ自然保護のための場所(サンクチュアリ)での活動が主軸。
■サンクチュアリの自然を守るために、自然の調査や管理をしつつ、来訪者が自然と触れ合えるように自然体験の手助けを行っている。
■全国7ヵ所あるサンクチュアリに、1ヵ所につき2~10人のレンジャーが配置される。嶋村さんは東京港野鳥公園レンジャーとして活動。

番組情報

ENEOSプレゼンツ あさナビ

毎週月曜〜金曜 6:43 - 6:49

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

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