臨時国会の会期が12月5日までになった「いくつかの理由」
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月15日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。政府・与党が臨時国会の会期を12月5日までの41日間で調整というニュースについて解説した。
臨時国会、12月5日まで41日間の方針
政府・与党は10月26日召集の臨時国会について、会期を12月5日までの41日間とする方針を固めた。臨時国会では、菅総理の所信表明演説が行われ、新政権発足から初となる国会論戦が行われる。
飯田)政権発足から1ヵ月というところです。この1ヵ月、どうご覧になりましたか?
鈴木)発足が9月16日でしたから、1ヵ月ですよね。一言でいうと、菅政権は発足してからもうだいぶ経ったような感じがあります。
飯田)確かにそうですね。
鈴木)それくらい、いろいろな政策を矢継ぎ早に出して来て、それぞれにインパクトがある。注目も集まっています。また学術会議の問題などは、政権の説明責任が問われています。これはどちらかというと、菅政権にはマイナスな話ですが。こういうことも出ているということで、どっしりした長年の政権の立ち振る舞いのような印象があります。だけど実はまだ、1ヵ月しか経っていないのです。
飯田)詳しいところはまだ語られていません。
鈴木)国民が参加しているのが国会ですから、国家観という表現をする人もいるけれども、この国をどうするのかという全体像が、まだ語られていないと思います。外交もそうです。安倍政権の継続だと言っているけれども、菅外交とは一体何だろうということ。この辺りのことを早く語って欲しい。そのためには、国会を開いて欲しいです。
国会開催がこの時期になった理由
飯田)一時期は、9月末か10月の頭くらいに国会を開くという話もありました。インドネシアとベトナムへの外遊などもあって、26日に落ち着いたと。
鈴木)外遊のスケジュールが言い訳とは言わないけれども、官邸周辺を取材していて思うのは、いろいろなところの準備をしっかり固めてから、という感じがします。所信表明にしても、練りに練って「ガン」と出さなければいけない。菅さんは、急に安倍さんがああいうことになって、いきなり就いた。そういう意味で、準備が万端だったかというとそうでもないですよね。だから、そういうところを固める。それから後は、人事を含めた体制です。そこを固めているのではないでしょうか。それにはどうしても時間がかかります。それでこの時期になっているのではないかと思います。
コロナ禍の有事だからこそ、国会は開くべき
鈴木)早く開くべきだと思うし、「コロナの間は開いておけ」というのが私の意見です。
飯田)何かあったときに審議して、すぐ法律を変えるなり、つくるなりしておくと。
鈴木)Go To キャンペーンもそうですが、当然完璧ではありません。急にやるわけですから。こういう有事のときの対応では、問題点が出て来るのは仕方がないと思います。だけど、失敗したら、それをできるだけ早いスパンで検証して、修正することが大切なのです。そのためには、国会を開いておく必要があります。だから、政府の方針や与党の意見だけで対応して行くのではなくて、そこは国会という場で検証して、問題点は修正する。Go To にしても、この仕組みが問題なのではなくて、素早く的確に修正をすることが必要なのです。そういう意味でも早くということです。
野党が油断しているとある“解散”
飯田)一時期は、国会を早く開くこととセットで、「解散があるのではないか」という話もありましたよね。
鈴木)早期解散だとずっと思っていました。
飯田)その風が急に止んだ感じがするのですが、どうですか?
鈴木)でも、気を付けなくてはいけないのは、「止むとやる」のです。
飯田)意表を突く形で。
鈴木)「やります」と宣言してやるのではなくてね。菅さんは選挙に対して、慎重というよりは、勝つタイミングで、主戦論で「行け!」と言うタイプです。勝つタイミングだと思えば、行きます。それは来年(2021年)とか、いろいろ説がありますが、私が取材している感じでは、内閣の支持率などを見ながら、タイミングだと思えば、この12月くらいからはもうXデーに入って行くと思います。気になるのは野党です。合流して選挙協力も含めて、いろいろとやっていますが、野党のなかに「年内はないのではないか」という空気があるのですよ。
飯田)若干緩んでいる感じ。
鈴木)そういうこと。これは与党にしてみれば、チャンスでしょう。
飯田)相手がちょっと気を許しているうちに、出し抜くぞという。
鈴木)そういう空気感は伝わっているわけです。私は、12月以降は常在戦場だと思います。公明党が来年、都議選があるので、そのおしりの問題もあるし、オリンピックがどうなるかという問題ももちろんありますけれどね。だからXデーは12月から、支持率の高い間にということです。逆に言えば、国会が長く続くと、支持率がどうなるかわかりません。既に学術会議の問題も影響して、支持率は発足当初から少し落ちています。
飯田)大手メディアで当初、70%くらいかということが出ていましたけれど。
解散は1月~2月ごろか
鈴木)そこから支持率が少し落ちて来た。
飯田)NHKの調査では7~8ポイント落ちて、50%台に突入しています。これをどう見るかということですよね。
鈴木)自民党の幹部は、想定内だと言っていました。まだ50%を超えているわけですからね。しかし、国会が始まって、学術会議の問題などで野党と菅さんがやり合うわけです。菅さんが、予算委員会で1対1でやり合ってどんな答弁になるのか。そうなると、支持率にどう影響するかもわからないわけです。だから支持率の高いうちに、勝てるタイミングだと思ったら解散する。第3次補正、私は予想通りですが、「やるな」と思っていました。コロナ対策として大きく打ち上げる。
飯田)なるほど。そうすると3次補正の提出は、通常国会の冒頭でということになると、まあ1月~2月というあたりですかね。
鈴木)それ以上行くと都議選に影響して来ます。そうなると、12月~1月くらいという感じかな。
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