笙奏者・宮田まゆみ~踊りたくなるようなリズムの曲もある平安時代の雅楽

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に音楽監督・笙奏者の宮田まゆみが出演。日本と世界での雅楽の受け止められ方の違い、また、平安時代や鎌倉時代における雅楽の楽しまれ方について語った。

宮田まゆみ

黒木)今週のゲストは雅楽で使われる東洋の伝統楽器「笙(しょう)」の演奏家、宮田まゆみさんです。雅楽は、日本では「何となくどこかで聴いたことがある」という感じですが、世界の方にはどのように受け止められるのでしょうか?

宮田)私は日本と世界とで、受け止められ方の違いはあまり感じません。ヨーロッパだと、オルガンの少し高い音域のものと共通性がありますので、親しみを感じるところがあるようです。楽器自体は身近にあるものではないので、新鮮さという意味でも、日本と世界ではあまり変わらないようです。

黒木)ちなみにその「笙」という雅楽器、これは手づくりとおっしゃっていましたが、つくれる方はたくさんいらっしゃるのですか?

宮田)少ないです。いま私が主につくっていただいているのは、愛知県常滑市に住んでいる方なのですが、おじさまがつくっていて、そのおじさまの跡を継いでやっていらっしゃる方です。

黒木)少なくなっているという状況ですか?

宮田)いま雅楽の人口は多くなっているので、楽器をつくる人も増えて来ているのではないかと思います。しかし、楽器は生き物ですから、つくる人と演奏する人の気が合うかどうかが大切になります。私は信頼できる方がいるので、いまとてもいい状況です。

黒木)雅楽をやられる方が増えているというのは、知りませんでした。

宮田)一般的な雅楽教室のようなものも増えているようですし。

黒木)習いたかったら、「笙」の音楽教室というものもあるのですか?

宮田)あるのです。

黒木)そうなのですね。子どもたちに興味を持ってもらうというのがいちばんの望みですよね。

宮田)そうですね。

黒木)雅楽や「笙」を広めるために取り組んで行きたいことはありますか?

宮田)伝統のある古典音楽というと、少しかたいイメージがありますが、平安時代や鎌倉時代、室町時代では、皆さん、生き生きと楽しんでいたようなのです。私はこの十数年、平安末期から鎌倉、室町にかけての古い楽譜を掘り起こしています。その楽譜に基づいた演奏を復元しているのです。

黒木)雅楽というと格式が高く、特別なところでしか聴けないというイメージがありますが、その時代はみんな雅楽を楽しんでいたのですね。

宮田)それが楽譜にも表れていて、復元してみると、3拍子のような踊りたくなるようなリズムが出て来ます。昔の楽譜からも、そういうものをもっと掘り起こして行きたいと思っています。

宮田まゆみ

宮田まゆみ(みやた・まゆみ)/音楽監督、笙奏者

■1954年生まれ。東京都出身。国立音楽大学ピアノ科を卒業後、雅楽を学ぶ。
■1979年より国立劇場の雅楽公演に出演。
■1983年より「笙」のリサイタルを行って注目をあび、第3回リサイタルにより芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。
■1998年の長野オリンピック開会式では「君が代」を演奏。
■海外ではニューヨーク・パリ・アムステルダム・ミラノ・ウィーンにてリサイタルを行う他、ドナウエッシンゲン現代音楽祭、ウィーン現代音楽祭に招かれ、数多くの国際的作曲家の新作初演を行うなど、西洋の音楽家と積極的に交流。
■現在、国立音楽大学招聘教授。古典的な演奏の他に、オーケストラとの共演や現代音楽にも取り組み、「笙」の音色を通じて、多彩な音楽表現を追求している。
■雅楽の合奏研究を目的に1985年に発足した雅楽演奏グループ「伶楽舎(れいがくしゃ)」の音楽監督を務め、第50回ENEOS音楽賞・邦楽部門を受賞。

番組情報

ENEOSプレゼンツ あさナビ

毎週月曜〜金曜 6:43 - 6:49

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

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