【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第946回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、12月4日公開の『サイレント・トーキョー』をご紹介します。
秦建日子の小説を、圧倒的リアリティとともに空前のスケールで完全映画化!
「アンフェア」シリーズなどを手がけた秦建日子が、ジョン・レノンとオノ・ヨーコによる名曲「Happy Xmas(War Is Over)」にインスパイアされて執筆した小説「サイレント・トーキョー And so this is Xmas」を映画化。
クリスマスの東京を突如襲った“連続爆破テロ”に翻弄される国家と人々の姿を圧倒的なスケールで描いた、クライムサスペンスです。
メガホンを取ったのは、大ヒットシリーズ『SP』を手がけた、波多野貴文監督。稀代のヒットメーカーがタッグを組み、日本を震撼させる壮大なサスペンス・エンターテインメント超大作を完成させました。
『サイレント・トーキョー』のあらすじ
クリスマスイブの東京。年に一度、世界中の誰もが幸せな気分に包まれる聖なる日、恵比寿に爆弾を仕掛けたという電話がテレビ局にかかって来る。
半信半疑で中継に向かったテレビ局の契約社員だったが、偶然出くわした主婦と共に、爆破事件の犯人に仕立て上げられてしまう。
騒ぎが過熱するなか、さらなる犯行予告が動画サイトにアップされる。犯人からの要求は、テレビ生放送での首相との対談。要求が受け入れられない場合は、18時に渋谷・ハチ公前付近を爆破するという。そんななか、人々が奔走する様子を、静かに見つめる謎の男がいた。
犯人は、一体、誰か。そして、その目的とは……。運命のクリスマスがやって来る。
『サイレント・トーキョー』のみどころ
もしも「東京に爆弾を仕掛けた」という犯行声明が出たならば、自分ならどうするだろう……。そんなことが頭をよぎるほど、現実と紙一重とも呼べる出来事をスリリングに描いている本作。
その中心に立つのは、2020年に俳優業40周年を迎えた佐藤浩市。日本中の騒乱を静かに見つめる容疑者・朝比奈仁として、唯一無二の存在感を放っています。
共演には石田ゆり子、西島秀俊といった日本映画界のトップランナーから、中村倫也、広瀬アリス、井之脇海、勝地涼など若手実力派まで、オールスターキャストが実現。さまざまな思惑が行き交う群像劇として、見応えあるものとなっています。
そして、この映画のもうひとつの主役とも言えるのが、無数の群衆と東京。
混乱に見舞われる渋谷の街を撮影するために、栃木県足利市に史上空前のオープンセットを建設。スクランブル交差点、ハチ公前改札、ハチ公前広場などが完全に再現され、総勢1万人のエキストラが参加して撮影が敢行されました。
ひしめき合う人々の間を縦横無尽にキャメラが動き回り、混乱に見舞われる渋谷の様子をドローンが空から捉える。まるでその場に居合わせたかのような圧巻の映像をスクリーンで体感できるのも、見どころのひとつです。
クリスマスの名曲に彩られた、衝撃の真実。その行く末は、スクリーンで。
<作品情報>
『サイレント・トーキョー』
2020年12月4日(金)から全国ロードショー
原作:秦建日子「サイレント・トーキョー And so this is Xmas」(河出文庫刊)
監督:波多野貴文
脚本:山浦雅大
音楽:大間々昂
エンディングソング:Awich「Happy X-mas(War Is Over)」(ユニバーサル ミュージック)
出演:佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊、中村倫也、広瀬アリス、井之脇海、勝地涼、毎熊克哉、加弥乃、白石聖、庄野崎謙、金井勇太、大場泰正、野間口徹、財前直見、鶴見辰吾
製作幹事:電通、東映
制作プロダクション:ROBOT
特別協力:東京タワー
配給:東映
(C)2020 Silent Tokyo Film Partners
公式サイト https://silent-tokyo.com/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/