黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に株式会社「農人たち」代表、有機栽培農家の宮本暢常が出演。冬に簡単に育てられる野菜について語った。
黒木)今週のゲストは株式会社「農人たち」代表、有機栽培農家の宮本暢常さんです。今回は家庭でもできる、冬に育てる野菜を教えていただきたいと思います。
宮本)数は限られるのですが、10~12種類くらいとよく言われます。
黒木)私でもできるものを教えてください。
宮本)いちばん簡単なのは、カブです。カブは非常に簡単で、プランターに種を撒いて、水をかけて、以上でぐんぐん育ちます。
黒木)太陽は?
宮本)太陽は要ります。ベランダに置くだけです。東京であれば、温度もそれほど下がらないので、夜だけ室内に入れていただいて、それ以外はベランダに置きっぱなしで大丈夫です。
黒木)毎日お水?
宮本)はい。ただ、あげすぎないでください。本当に少量で、土が潤う程度でけっこうです。
黒木)少しだけ、でも毎日。
宮本)通常夜は、畑で育てているときは、冬は夜露が降ります。冬は乾燥している時期なので、雨は降りませんが、夜露のしずくの湿度くらいでカブは育ちます。
黒木)次に簡単なものは?
宮本)次はホウレン草です。
黒木)ホウレン草ですか。
宮本)簡単です。虫がつきづらいです。元肥と言うのですが、肥料を土のなかに入れておいてあげます。その後は追肥と言って、2週間に1回くらい肥料をあげます。いまはよくできている肥料がたくさんありますが、有機肥料でも、液体肥料と言われているものがあります。
黒木)やはり、有機肥料を買った方がいいのですね。
宮本)化学肥料にも優秀なものはあるのですが、虫がつきやすく、逆に育てにくい環境になるときもあります。有機肥料は、肥料成分は弱いのですが、ゆっくり育って、虫もそこまで来ません。
黒木)虫が来たらどうするのですか?
宮本)虫が来てしまったら、網をかけるのが正しい方法です。ホームセンターに行くと、「寒冷紗」と言って、不織布マスクのような素材で、布状になっているものが売られています。それを被せるだけで、十分虫は防御できます。また、保温効果もあるので、冬のあいだ外に置いておいても、十分育ちます。寒冷紗は防虫と防寒の両方を備えているのです。
黒木)室内では、他にどんなものがありますか?
宮本)室内であれば、玉ねぎですね。市販の玉ねぎの小さいものを土のなかに植えておくと、玉ねぎの葉がニョキニョキと出て来ます。葉玉ねぎと言って、炒めて食べたりします。
黒木)食べられるんだ。
宮本)柔らかくて美味しいです。
黒木)野菜を育てる楽しみは何ですか?
宮本)時間の捉え方だと思います。自分が焦っていようが、何をしていようが、野菜の時間が存在していて、それは絶対的なのです。自然の時間は、頭では感じることができません。野菜を育てると、一緒に付き合うことになるので、「これが本当の時間の感覚なんだな」ということがわかります。
黒木)豊かな時間が過ごせるということですね。
宮本)まさに「豊かだな」と感じます。
宮本暢常(みやもと・のぶつね)/有機栽培農家「農人たち」代表
■1975年、栃木県宇都宮市生まれ。
■IT企業「サイバーエージェント」に勤務した後、農業に転向。
■農業をベンチャーマインドで捉え、「生で食べられる野菜づくり」をコンセプトに事業展開中。栃木県で新規就農者を対象とした塾を開校するなど支援を行っている。
<株式会社「農人たち(のうじんたち)」>
・農に携わる「人たち」との組手で新たなものをつくり出しているネットワーク。
・宮本さんが設立した会社。
・農薬を使わない野菜や米、原材料の品質が高い加工品、農にかかわる工芸品、芸術品の販売、さまざまなコラボレーション企画の農業体験を提供。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳