日本が台湾に学ぶべき2つのこと~経済成長率で中国超え
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月2日放送)にジャーナリストの有本香が出演。台湾の2020年のGDP速報値が、前年に比べプラス2.98%と中国を上回ったというニュースについて解説した。
台湾の経済成長率が中国超え
台湾の統計局によると、台湾の2020年のGDP速報値は前年と比べプラス2.98%で、中国のプラス2.3%を上回った。新型コロナウイルス感染症の抑え込みが成功し、輸出や投資などが伸びたことが要因とみられている。
飯田)第4四半期は前の年と比べて4.94%ということで、いい数字ですね。
有本)そうですね。第4四半期の最後になって、緊急事態宣言モードになった日本とは対照的ですね。これはハイテク産業、5G関連のハイテク産業の輸出が好調だということです。確かに家に籠るので、タブレットなどの需要が高まっているということはあるのでしょう。
飯田)なるほど。
台湾から学ぶ2つのこと
有本)ここで台湾を見て2つ学ばなければならないことがあると思います。それは「ウイルスの封じ込めか経済か」ではなく、「封じ込んで初めて経済」ということです。封じ込めるためには初期、初動がいちばん大切だったということです。いまや日本は何がどうなっているかわからないという状況ですよね。
飯田)追いきれていない。
有本)まったく追いきれていない。台湾の場合は、水際対策をしっかりやったということと同時に、徹底的に追おうということをしていますからね。それが功を奏したということが1つ。それからもう1つは、これは台湾が幸いした面があると思うのですが、2年くらい前から、中国が台湾の蔡英文政権をいじめるために、観光客を絞って来ていたのです。2020年1月の総統選に向けては蔡さんへの支持を落とそうという狙いで、2019年夏に個人旅行客を止めたのです。台湾にとってみればこれが幸いしました。
飯田)中国からのお客さんが入って来なかった分だけ。
有本)それから特に第1期の蔡英文政権としては、台湾も地域によってはかなり観光業に依存しているところがあるのですけれども、台湾の観光業はそのまま維持発展させるとしても、中国への依存度を減らして行くということを徹底的にやったわけです。ASEANやオセアニア諸国、南向政策ですね、ここに集中的にキャンペーンを打ったのです。結局、このコロナ前の状況で見ても、ほとんど入って来る人の数は変わっていないのです。中国人に依存する比率がどんどん下がったけれども、トータルの数としてはそれなりの数を確保していたのです。だから観光業そのものも、仮に中国人の入込客数が減ったとしても、それなりに収益は確保できたという状況にあった。
コロナ禍において、電子機器製造業に力を入れた台湾
有本)ただ、これをコロナで止めざるを得なくなりました。そこで、今度は収益性も高く、台湾の得意なところの電子機器製造業、ここに力を入れたのです。日本も考えなければいけないのは、国の規模は違いますが、島国であり、歴史を共有していた時代もあり、いろいろな共通点のある国として言えば、やはり観光立国ではないのです。日本の「ものづくりの力」というものをもう1回取り戻して、そして日本は国内の市場が台湾の何倍も大きいわけですから、そこでつくったものをきちんと流通させて、経済を回して、まずはそれを土台にして、その上で、輸出で外貨も稼いで行くという形にもう1回巻き戻すべきではないでしょうか。観光客に強く依存していたわけでもないはずの飲食業や商店までもが、すべて打撃を受けるという羽目に陥っているわけです。
飯田)日本人がいま外に出なくなっているということの方が、よっぽど影響があるということですよね。
有本)産業構造そのものが、よくない状況になっているところに、このコロナ禍が来たということだと思います。
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