東日本大震災から「まだ」10年【みんなの防災】

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「報道部畑中デスクの独り言」(第234回)

ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム。今回は、2021年2月13日に発生した地震と、今年で発災から10年となる東日本大震災について---

画像を見る(全3枚) 亀裂が入ったJRいわき駅の通路=2021年2月14日午後、福島県いわき市 写真提供:産経新聞社

2月13日午後11時8分、緊急事態宣言発令中の土曜夜、ベッドでゆるりと音楽を聞いていたころに、その揺れは起きました。長いイヤな揺れが続き、首都圏では震度4を観測、自宅では棚の上にあった小さなミニカーの箱がぱたんと落ちて来ました。

東北で最大震度6強の情報、福島県中通りでは長周期地震動の階級4を観測しました。この階級4というのは、高層ビルの高層階などで立っていられない、あるいは固定していない家具の大半が移動し、倒れるといった危険な揺れを意味します。市街地では高層ビルも少なくなく、恐怖だったのではないかとお察しいたします。

気象庁では日付が変わった14日未明に記者会見が開かれ、今回の地震は東日本大震災をもたらした巨大地震の余震であるとされました。震源は福島県沖、マグニチュードは当初7.1でしたが、その後7.3に、震源の深さもおよそ60kmから55kmに修正されました。

今回の震源は10年前の3月11日のそれより、南西におよそ110km離れていました。政府の地震調査委員会は、地震の震源は南北方向に伸びる長さ40kmの断層であるという見解を明らかにしています。

今回の地震では、福島県内で20軒の家屋が全壊した他、常磐自動車道の相馬インターチェンジと新地インターチェンジの間で土砂崩れが発生、東北新幹線で電柱が折れたり、高架橋が破損するなどの被害が明らかになりました。

気象庁で2月14日未明に行われた緊急会見

また、関東など東京電力管内では一時、80万軒以上の停電が発生、首都圏でも幹線道路の信号が消えるなどの情報が寄せられました。被害に遭われた方、お見舞い申し上げます。

ただ、まさに「不幸中の幸い」、今回の地震では被害を起こすような大きな津波は観測されませんでした(最大の津波は宮城県の石巻港で20cm)。震源が海上ということで、「すわ津波か」と肝を冷やした人も多かったと思います。

気象庁や政府の地震調査委員会によると、震源の深さが55kmで10年前の24kmに比べて深かったこと、震源が海側の太平洋プレート“内部”の地震だったことが理由とされました。つまり、プレート“境界”でなかったことから、海底が大きく変形するには至らなかったというわけです。逆に言えば震源が浅く、震源が境界方向にずれていたら……「紙一重」の状況だったと言えます。

震災後、「定点観測」的に取材を続けている宮城県気仙沼市では、震度4を観測しました。当初は宮城県北部も6弱ということでしたが、地域によってばらつきがあったようです。住民の1人は「ほとんど被害はなかった。津波警報が出るかどうか、そこまでが緊張するところ。出なかったのでホッとした」と話していました。

3年前、取材に訪れたとき、宮城県気仙沼市内では防潮堤の建設が進んでいた(2018年2月24日撮影)

一方で、いまの海岸沿いは「すごく危ない状態」とも話していました。と言いますのも、気仙沼市内では防潮堤などの防災設備がいまだ整備途上にあります。つまり、市内でも防御できていないところがあり、津波が起きて水が入るとどういう動きがあるか予測できないのが現状だそうです。

整備されていない「弱い部分」に集中的に押し寄せる可能性があり、「いちばん中途半端な状態で心配。ここ1年はこういう状態が続くと思う」と、不安な胸の内を明かしました。

あと半月あまりで東日本大震災から10年となりますが、依然、地震活動が活発であることを思い知らされる地震となりました。

この10年、被災地の中心となった東北の方々のみならず、日本人にとってはさまざまな思いがありますが、「もう10年」ではなく、「まだ10年」であることを肝に銘じる必要がある……改めて感じます。(了)

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