東京都医師会理事で「かずえキッズクリニック」院長の小児科医、川上一恵氏が3月31日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。これから小学校に上がる子供を持つ親が知っておくべきことについて解説した。
飯田浩司アナウンサー)小学校の入学の際に、どういったことに気をつけたらいいでしょうか?
川上)保育園のころは、いまはわりと親の働き方に合わせてフレキシブルに保育時間を決めてくださると思うのですが、学校ではそれができないので、一定の時間に登校し、一定の時間に下校することになります。ですので、いかに親の仕事の時間と組み合わせて行くかということが、いちばんの問題になると思います。
飯田)わがままが通用しないというのは、親側も覚悟しておいたほうがいいということですね。
川上)どこが大事かというポイントは押さえておかれたほうがいいと思います。いま学校を見に行きますと、夜遅くまで起きていた結果であろうと思われるような、机に顔を突っ伏している子や、午前中に元気が出ない子がたくさんいるのです。夜遅くまで起きてゲームをしていたり、朝もギリギリに起きるためです。しかも、起きたときには親御さんは出勤していて家にいないということになると、朝ご飯を食べないまま学校に来る子が結構います。
飯田)ゲームをしている時間は子供が静かにしてくれるので、与えてしまう親御さんも多いですよね。どうすればいいでしょうか?
川上)1つは、スマホやゲーム機というのは、誰が買ったか、あるいは誰が通信費を支払っているかという視点に立つことです。「これはお父さんが買って、君に貸しているものだから」というような視点で考える。例えば、「夜8時になったら返しなさい。充電はお父さんがしておいてあげるから」など、そういう形であらかじめ約束事を決めておくというのが大切ですね。
飯田)放っておくと、際限なくやってしまいますものね。
川上)もう1つのやり方としては、小学生だと宿題が出ますので、「学校の宿題をまず終わらせたら、お父さんやお母さんが帰って来るまでゲームをしてもいいよ」など、別のものと抱き合わせることです。保育園との大きな違いは、宿題があるということですよね。勉強も、ある程度は見てあげなければなりません。学校だけでは教えられない部分を、いかにご家庭で教えるかという部分も必要です。もう1つ大切なこととして、1~2年生はまだないかも知れませんが、いろいろな時事ネタを話すことです。事件や事故などがあった場合、そういったことを親子で話題にして危険を回避したり、世の中を考えたりする時間も取っていただきたいです。お食事の時間を一緒にすることや、お食事をつくっている間も子供と会話ができるように、子供と会話するための工夫につなげてもらえたなら、その範囲内でゲームをするのは悪くないと思います。
飯田)まず会話をするということが、より大事になって来るのですね。
川上)100%子供を見ているわけにはいかない年齢になりますから、親のいないところでの行動もだんだん増えて来ます。そういう意味では、会話によって子供が何を考えているか、どんなことに興味を持っているか、いまどんなお友達とどういう遊びをしているかといったことを知る手段は、会話しかなくなると思います。子供も長い時間を学校や塾で過ごしますので、一緒にいられる時間をどう過ごすかが大切です。説教ではなく、子供の話をじっくり聞く時間を取っていただきたいと思っています。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます