医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が4月5日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。肩こりに陥りやすい体かどうかをチェックする方法と、肩こりになりにくいパソコンの使用法について解説した。
飯田浩司アナウンサー)コロナ禍で肩こりがひどくなっている方は、多いのではないでしょうか?
森田)自粛生活に伴って、パソコンやスマホなどを使ったリモートでの仕事が多くなりましたよね。それで肩こりを訴える人が多くなっていると考えられます。厚生労働省の統計では、自覚症状のある身体の不調を訴える割合を調べたところ、肩こりは、男性では第2位、女性では第1位に上がっていたのです。
飯田)どんなに首を動かしても不調という状態が続くと、元気もなくなってしまいますよね。
森田)肩こりの原因にはいろいろなものがあるのですが、多くは血液の循環が悪くなることと考えられています。頭の重さはおよそ5kg程度あるのですが、これはボウリングの球を背骨の上に乗せているようなものです。姿勢が真っすぐだった場合には、背骨の上の頭をバランスよく支えられますので、首に負担がかからないのですが、頭が少し前に動いている状態、いわゆる首をかしげた状態だと、首や肩に約3倍以上、すなわち20kg程度の負担がかかると考えられています。姿勢が悪いことが、そのうち肩こりにつながるとも考えられているのです。
新行市佳アナウンサー)猫背だったり姿勢が悪かったりすると、肩こりになりやすいということですね。
森田)その通りです。姿勢が悪かったり、首、肩、肩甲骨の動きがよくなかったりすると、肩こりになりやすいということなのです。今回は、肩こりに陥りやすいかどうかチェックしたいと思います。まず両手の手のひらをつけていただいて、次に両腕もつけ、両肘も目の前でつけていただきます。ちょうど、拝んでいるようなポーズになりますね。そのまま、そのくっつけた両手を上のほうに上げて行くのです。新行さんは肘が目の部分まで上がっていますが、飯田さんは全然上がらないですね。
飯田)肘をつけておくだけでも、結構つらいです。
森田)肘が鼻の高さまで上がる方は、肩こりの危険性は少ないです。しかし、肘が唇の位置までしか上がらない方は軽い肩こり、顎まで上がらないという方は重い肩こりの可能性があります。
飯田)私は顎までどころか、胸の辺りで止まっています。
森田)首周り、肩周り、そして肩甲骨が硬いということですね。そういう方は肩こりに気をつけていただきたいのですが、やはりパソコンによるリモートワークが肩こりの原因とも考えられます。今回は、「肩こりになりにくいパソコンの使用法」をご紹介したいと思います。何といっても正しい姿勢で座って、パソコンを使うということです。椅子に深く腰掛けて、キーボードやマウスは、なるべく体の近くに置いたほうがいいですね。そして、脇を締めてパソコンを操作するのです。先程、頭にはボウリングの球程度の重さがあると言いましたが、この頭を背骨の上に乗せるような気持ち、すなわち頭が糸で上に引っ張られているような姿勢にするのです。さらに視線を、下目線ではなくパソコンにまっすぐ向かうように、椅子の位置を調整してください。そうすると頭が背骨の上に乗りますから、首や肩周りの筋肉への負担が少なくなると考えられています。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます