【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第992回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、Netflixにて独占配信中の『ホムンクルス』と、U-NEXTにて独占配信中の『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』をご紹介します。
お家で観たい!『ホムンクルス』~伝説的サイコ漫画を実写映画化!
山本英夫の同名マンガを原作に、左目で人間の潜在意識が異形となって見えてしまう主人公の姿を描いた映画『ホムンクルス』。
衝撃のサイコミステリーが、『呪怨』シリーズの清水崇監督のメガホンにより、実写映画化されました。国内の映画館での先行上映に続き、現在、Netflixで全世界に向けて独占配信中です。
『ホムンクルス』のあらすじ
一流ホテルとホームレスが溢れる公園の狭間で、路上生活を送る名越進。過去の記憶も感情も失い、社会から孤立している彼の前に、突然、奇抜なファッションに身を包んだ研修医・伊藤学が現れる。
「頭蓋骨に穴を開けさせて欲しい」という伊藤からの突然の要求に戸惑う名越だったが、第六感が芽生えると言われる“トレパネーション”という手術を受けることに。術後、名越が右目を覆って左目だけで見ると、人間が異様な形に見えるようになる。
伊藤はその現象を「他人の深層心理が視覚化されて見えている」と言い、その異形を“ホムンクルス”と名付けた。名越はホムンクルスと化した人々の“心の闇”と対峙して行くなかで、自身の過去の記憶と向き合うことになり……。
『ホムンクルス』のみどころ
主演を務めるのは、綾野剛。禁断の実験に手を貸したことから運命が狂い始める主人公を、大胆かつきめ細やかに演じ、作品ごとにガラリと違った印象を見せる彼の俳優としてのカメレオンぶりを堪能させてくれます。
そして、名越にトレパネーションを施す研修医・伊藤学役は、成田凌。エキセントリックな役どころを奇々怪々と表現しているのは、さすが“演技巧者の成田凌”ならではと言ったところ。
さらに映画オリジナルキャラクターである“謎の女”に岸井ゆきの、原作においても印象的なキャラクターである女子高生1775役に石井杏奈、ヤクザの組長役に内野聖陽など、個性豊かな俳優陣が競演していることにも注目です。
誰もが抱える心の慟哭を狂おしいまでにあぶり出し、“人間の正体”を赤裸々に投影した本作。人間のある意味“汚れた”部分にフォーカスを当てているにもかかわらず、それがどこまでも人間臭く、どこかもの哀しく映る瞬間があり、人間ドラマとしても秀逸です。
主人公の左目を通して見えているものは、果たして現実なのか、それとも虚構なのか。あなたの“目”で、確かめて。
コチラもお家で観たい!『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』~HBOマックスのオリジナルドラマが、日本初の独占配信!
舞台は、謎めいた未開の惑星ケプラー22b。2体のアンドロイド、“マザー”と“ファーザー”は、人間の子を産み育て、ある使命を担っていた。
それは信仰の違いによる戦争のために滅びゆく地球と同じ過ちを繰り返さず、新たな世界を創ること。しかし、平和に暮らすファーザー、マザーと子どもたちの元に、兵士マーカスが率いるミトラ教徒たちが現れる。
アンドロイドと人類。そして、両者の間で揺れ動く子どもたち。それぞれの生き残りをかけたバトルの火蓋が切って落とされた……。
『エイリアン』『ブレードランナー』などで知られるSF映画の巨匠、リドリー・スコットが製作総指揮を務めるドラマシリーズ『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』。トラディショナルなSF描写をモチーフとしたスタイリッシュな世界観と、独創的なストーリーに、オープニングから目が釘付け。
リドリー・スコットが挑むSFの新たな領域に魅了されること間違いなしの1作。全10話を観終わったあと、あなたは何を思うのか!?
この記事の画像(全14枚)
『ホムンクルス』
Netflixにて独占配信中
出演:綾野剛、成田凌、岸井ゆきの、石井杏奈、内野聖陽
監督:清水崇
原作:山本英夫「ホムンクルス」(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)
脚本:内藤瑛亮、松久育紀、清水崇
音楽:ermhoi/江崎文武
メインテーマ:「Trepanation」millennium parade(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作統括:勝股英夫
エグゼクティブプロデューサー:寺島ヨシキ
チーフプロデューサー:西山剛史 穀田正仁
プロデュース:古草昌実
企画プロデューサー:宮崎大
プロデューサー:中林千賀子、三宅はるえ
撮影:福本淳
照明:市川徳充
美術:寒河江陽子
録音:西山徹
編集:鈴木理
装飾:中澤正英
衣装:田中亜由美
ヘアメイク:小出みさ
ヘアメイク(綾野剛):石邑麻由
特殊スタイリスト:百武朋
VFXプロデューサー/VFXディレクター:平田耕一
VFXスーパーバイザー:高橋直太郎
音響効果:赤澤勇二
助監督:岸塚祐季 加瀬聡
制作担当:高橋輝光
制作プロダクション:ブースタープロジェクト
製作・配給:エイベックス・ピクチャーズ In association with Netflix
(C)2021山本英夫・小学館/エイベックス・ピクチャーズ
英題:Homunculus
公式サイト
https://homunculus-movie.com/
https://www.netflix.com/jp/title/81179841
『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』(全10話)
U-NEXTにて独占見放題配信中
製作総指揮・監督(1、2話):リドリー・スコット
原案・製作総指揮・脚本・ショーランナー:アーロン・グジコウスキ
製作総指揮:デヴィッド・W・ザッカー、ジョーダン・シーハン、アダム・コルブレナー、マーク・ハッファム
撮影:ダリウス・ウォルスキー
キャスト:アマンダ・コリン、アブバカル・サリム、トラヴィス・フィメル、ウィンタ・マクグラス、ニアフ・アルガー、ジョーダン・ロックラン、マティアス・ヴァレラ、フェリックス・ジェイミソン、イーサン・ハザード、アーシヤ・シャー、アイヴィー・ウォン ほか
日本語吹替版:沢城みゆき 小林親弘 諏訪部順一
配信:U-NEXT
英題:Raised By Wolves
(C)2021 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reserved. HBO Max(TM) is used under license.
公式サイト https://www.video.unext.jp/lp/raised_by_wolves
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/