コロナ禍で痛感した「憲法改正の必要性」

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月12日放送)に数量政策学者・内閣官房参与の高橋洋一が出演。世論調査で憲法改正に前向きな意見が増加しているというニュースについて解説した。

コロナ禍で痛感した「憲法改正の必要性」

東京都に「まん延防止等重点措置」が適用されたことを受け、新宿駅前で注意を呼び掛ける都職員ら=2021年4月12日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

世論調査では憲法改正に前向きな意見が増加~緊急事態宣言をして私権制限できないのは日本くらいである

憲法記念日の5月3日に際し、各紙が世論調査結果をまとめているが、新型コロナウイルスなどの感染症や大規模災害に対応するため、緊急事態条項を新設する憲法改正を「必要とする」と答えた人が多く、内閣権限強化や私権制限が想定される緊急事態条項新設を容認する声が反対意見を上回っている。

飯田)最近の世論調査では、憲法改正に対しても前向きな意見が増えているということです。

高橋)緊急事態宣言をしても私権制限できないという国は、日本くらいしかないのです。なぜかと言うと、憲法上の戒厳令や非常事態宣言などという規定がないから、私権制限ができないのです。私権制限ができないと、いろいろなところで歪みが起きることが国民もわかったのではないでしょうか。こういうものはすべ数値化されていて、国際比較するとできるのです。2020年4月~5月は、どこの国もマックスの100くらいにしています。日本では50だから、先進国、及び世界でほぼ最低です。最低でしかできないということです。「なぜ」と他の国の人に言われるのですが、「日本は憲法上にないから」と言うと、「直せばいいだろう」とすぐに言われます。

飯田)緊急事態、非常事態宣言、あるいは、それに規定するような憲法の規定もないし、法律もない。

憲法上の規定がないから入国制限も厳しくできない~国内法が連動する

高橋)ないからできない。「入国制限が甘い」と言われるのだけれど、憲法上の規定がないと国内法がそれに連動して緩くなるのです。そうすると入国制限もあまり厳しいことは言えなくなる。「罰金を取って」というようなことがやりにくいのです。

飯田)それは移動の自由というものが保障されているところ。

高橋)そうです。日本人が海外から帰って来るときも、全部一律に止めるというのは難しいでしょう。外国人であればできるだろうと言われるのですが、日本人だとできないでしょう。だから水際も実行的にやりにくくなる。憲法上に規定がないと、いろいろなところに影響があるのですよ。憲法がないということは、国内の法律はそれを超えられないわけです。

飯田)「法律で何とかなるだろう」と言うけれど。

高橋)ならない。

憲法上の規定がなければ超法規的措置しかない~憲法の緊急事態条項をつくるべき

飯田)最終的に違憲立法審査にかかってしまうわけですか?

高橋)かかってしまう。そうすると超法規的措置しかありません。この間少しやりましたけれどね。

飯田)超法規的措置は、ある意味、空気で縛るという。

高橋)大変ですよ。すごく勇気が要ります。これで憲法上の規定があれば、それに基づく実定法がすぐできるでしょう。本来はそのように用意すべきものです。

飯田)もちろんそこには「この事態があったら」という歯止めの部分も含めて、盛り込みながらということも必要ですか?

高橋)平時において、憲法の規定をつくって、それに基づく実定法のときには、どのような歯止めをするかという議論もできるではないですか。それがなく、いざというときに超法規的措置を連発したら、そちらの方が危険ですよ。

飯田)結果的に、超法規的措置に対してどう歯止めが効くのかというのは。

高橋)いまはないですよ。議論がないから、「仕方なくやる」というレベルです。本当はいけないことだと思いますよ。だから平時のときに、せめて憲法の緊急事態条項をつくって、それに基づく実定法をつくっておいた方がいいと思います。

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飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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