黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(8月9日放送)に生活経済ジャーナリストの和泉昭子が出演。コロナ禍での仕事の相談について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。8月9日(月)~13日(金)のゲストは生活経済ジャーナリストの和泉昭子。2日目は、コロナ禍で変化する仕事の相談について---
黒木)コロナ禍によって、仕事の相談も増えているのですか?
和泉)コロナ禍で「エッセンシャルワーカー」と言われる、現場でどうしても必要なお仕事をしてくださっている方以外は、「なるべく家で仕事をしてください」という形でリモートワークが増えています。そうすると、オンラインで会話をするので、ストレスが溜まるのです。私はコミュニケーションについてのセミナーも少ししているのですが、オンライン上でのコミュニケーションの取り方についての相談も増えています。
黒木)書かれた本には、「ほどほどの笑顔で」とありましたが。
和泉)つまらなそうに不貞腐れたような顔をしている方が多く、自分の表情にあまり気を使っていない方が多いのです。できれば頬の筋肉を少し緩めていただいて、口角を上げるほどではなくてもいいのだけれど、『「頷きリーダー」のように、「分が引っ張って行く」いうつもりで頷いてください』ということはお伝えしています。
黒木)頷きリーダーのように。
和泉)対面で会っているときは、「不愉快ではない」ということが空気でわかりますが、オンラインですと空気感がわからないので、表情に気を付けなくてはいけません。あとは皆さん、オンラインが続くと疲れてしまうのです。それは1つの画面にいろいろな人が出て来て、そこから表情を読み取ろうとするので、神経が消耗するのですね。そういうときにどのようにしたらいいかというお話をしています。
黒木)そういうときはどうしたらいいのですか?
和泉)なるべくみんなの顔を見ない。自分の顔が映っていることがストレスになる人もいるようです。「スピーカービュー」という機能で話し手だけを大きくなるようにするとか、そういうことだけでも、疲れ方が違います。
黒木)働き方が変わってしまいましたからね。
和泉)お金のことで言うと、働く時間ではなく、実績、成果で評価せざるを得なくなるから、いわゆる残業代がつかず、通勤手当がなくなり、代わりに光熱費や通信費がかかっています。ある程度、その補助が出ているところもあるのですけれども、いままでと同じではないので、事実上のお給料が減ったというお家もあるようです。
黒木)キャリアアップする方も増えているらしいですね。
和泉)そうですね。ここ1年半を見ていると、日本のITが遅れているとか、生産性が悪いとか、成果で評価をせず、時間で管理をしているなどということが全部、浮き彫りになって来たのです。気の利いた企業、気の利いた人ほど、「これではいけない」ということで、前向きにこの機会に自分を変えよう、会社を変えようというところもあります。
黒木)それを逆利用して、自分のスキルアップしようという方も増えて来ているということですか?
和泉)私が見ていても驚くくらい、この1年で成長していらっしゃる企業、そして人もいらっしゃいます。コロナの前に戻ることばかりを考えて待っていると辛くなるのですけれども、これを機会に時代に合わせて、準備をする人たちがいます。旅行会社さんが最近、通信の方も始めて携帯電話の業種に出て来たり、居酒屋さんが中国への進出を早めたりなど、いろいろなことを考えて、「どうすれば自分たちを変えて成長して行けるのか」という考え方をし続けると、希望も見えてくるのではないでしょうか。
和泉昭子(いずみ・あきこ)/ 生活経済ジャーナリスト
■横浜国立大学卒業後、福武書店(現・ベネッセ・コーポレーション)に勤務。
■退社後、日本短波放送(ラジオNIKKEI)を経てフリーのキャスターに転身。
■NHKを中心にニュース・経済番組などを担当。
■1995年にCFPを取得後、マネー・キャリア・コミュニケーションに関する情報発信やコンサルティングを手掛ける「株式会社プラチナ・コンシェルジュ」を設立。
■ファイナンシャルプランナーのパイオニアであり、政府はじめ各官民間機関の委員、理事、大学教授を歴任。新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・講演などにも数多く出演。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳