高市早苗前総務大臣が意欲を語る ~ニューアベノミクスとも言える「サナエノミクス」が「日本経済強靭化計画」

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月17日放送)に高市早苗前総務大臣が電話出演し、自ら掲げる「日本経済強靭化計画」について語った。

「#みんなの国勢調査キックオフイベント」であいさつする高市早苗総務相=2020年9月1日午後、東京・外神田の神田明神ホール 写真提供:産経新聞社

高市早苗衆議院議員に訊く「日本経済強靭化計画」

内閣府が8月16日に発表した2021年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比0.3%のプラスであった。

飯田)ここでは、自民党総裁選への出馬の意向も表明された前総務大臣、高市早苗衆議院議員にお話を伺います。高市さん、よろしくお願いします。

「大切なものを守ることができなくなってしまう」という猛烈な焦り

飯田)総裁選への出馬の意向が大きく報じられていますけれども、いまのご心境はいかがでしょうか?

高市)早く着手しなければ、「大切なものを守り切れない」という猛烈な焦りがありましたので、決心をいたしました。

飯田)その大切なものとはどういうものでしょうか?

高市)私は国の究極の使命というのは、国民の皆さまの生命と財産を守り抜くこと、領土、領海、領空、資源を守り抜くこと、主権と名誉を守り抜くことだと思っています。国民の皆さまの命も含めて、大切なものを守ることができなくなってしまうという猛烈な焦りがありました。

飯田)なるほど。

高市)とにかく、あらゆるリスクの最小化をしなければいけない。いま生きている方はもちろんですが、将来世代の方々にとっても、「安全で安心な社会をつくりたい」という強い思いでございます。総裁選挙が実施されるかどうかも含めてわかりません。日程もわかりません。実施されれば、私は立候補したいと、決断をしております。

9月に「政策集」を出版予定

飯田)いま発売されている月刊「文藝春秋」に寄稿されていらっしゃいます。政策集という形で、特に経済政策についてもかなり踏み込んでおられます。コロナで縮小している日本経済について、このままではよくないという危機感がありますか?

高市)それは強くございます。「文藝春秋」に出したものは数ページですので、政策集というようなものではございません。政策集は9月に出版します。

飯田)そのなかで、より具体的にどうするべきかということを書かれるのですね。

高市)そうですね。

日本経済強靭化計画はニューアベノミクスである「サナエノミクス」

飯田)「日本経済強靭化計画」というタイトルが出ていますが、これに込められた意味、具体的なところなど、明かせる部分でけっこうなのですが、どういうことが挙げられますか?

高市)「日本経済強靭化計画」についてお話しいたしますが、「ニューアベノミクス」というような感じのものです。アベノミクスというのは「大胆な金融緩和」「機動的な財政出動」「民間活力を引き出す成長戦略」の3本柱でございました。

飯田)そうですね。

高市)私が訴える強靭化計画は、「サナエノミクス」と言ったら変な感じですけれども、金融政策は一緒です。ただ「機動的な財政出動」、これはあくまで災害や感染症、テロや紛争、海外の景気低迷など、そのような要因によって、緊急時に迅速に大型の財政措置をするということに限定されます。

2020年8月28日、会見を行う安倍総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202008/28kaiken.html)

「サナエノミクス」は「大胆な金融緩和」「緊急時の財政出動」「大胆な危機管理投資、成長投資」

高市)アベノミクスのマクロ的な「デフレ脱却のためのマクロ経済政策」という、需要拡大のためのものとは違います。2本目の矢が「緊急時の財政出動」です。3本目の矢は、「大胆な危機管理投資、成長投資」ということで、大規模な財政出動や税制、法制の整備も含みます。アベノミクスの3本目の矢の「成長戦略」というのは、どちらかと言うと改革でした。民間活力を引き出すということで、規制緩和して生産性の高い企業に労働や資本を流れやすくさせるという改革だったのです。

「成長戦略」を「成長投資」に

高市)私の方は、これを「投資」に変えます。リスクを最小化にするための投資をしっかりとやれば、そこで新しい産業も生まれます。サービスであれ、インフラであれ、いろいろなものが生まれて来ます。世界共通の課題に対応するような危機管理投資にすれば、それをそのまま輸出できますので、明らかに成長投資になります。この辺りがアベノミクスと比べて変わる部分です。

インフレ率2%を達成するまでは、時限的にプライマリーバランスを凍結する

高市)それともう1つ、「インパクトがあった」と皆さまが驚かれたことですが、物価安定目標であるインフレ率2%を達成するまでは、時限的にプライマリーバランス、PB規律と言われるものですが、これを凍結させていただくことになります。アベノミクスの場合は2本目の矢である機動的な財政出動で需要拡大をしようと思ったのですが、財政当局がプライマリーバランス黒字化に拘られました。結果的には、緊縮財政になってしまって、なかなか効果が見えにくかったのです。そうならないよう、インフレ率2%を達成するまでは、時限的にですが、プライマリーバランスは凍結するということです。

法改正を組み込んで投資をする~国債発行は必要な経費の重要な財源として活用すべきもの

ジャーナリスト・有本香)アベノミクスのときには、「第3の矢が弱い」という印象を私たちも受けていました。そこに対して投資、または法改正を組み込んでと。いま伺っていたニュアンス、または文藝春秋を読ませていただいたニュアンスですと、経済安全保障やセキュリティ分野、この辺りと組み合わせて行くという理解でもよろしいのでしょうか?

高市)そうです。残念ながら、プライマリーバランスを時限的に凍結するということにつながるのですけれども、やはり政策が軌道に乗るまでは、どうしても追加的な国債発行は避けられなくなってしまいます。イェール大学の浜田宏一名誉教授がわかりやすい表現をしていましたが、政府の財政収支を気遣うあまり、現在苦しむ人を助けず、子どもの教育投資を怠って、生産力のある人材資本を残さなくてもよいのかと。「目の前のことに拘って、いま救わなければいけない人が救われなくなる」と、このように表現しておられたのです。ただ、いま追加的な国債発行をしたとしても、日本国が破産するというわけではない。つまり私は国債発行というのは避けるべきものではなく、必要な経費の重要な財源として活用すべきものだと思っています。

有本)そうですね。

高市)特に日本の場合は、日本銀行に通貨発行権があります。自国通貨建ての国債発行ができますから、デフォルトの心配はない。要は債務不履行の心配はないのです。

危機管理投資に必要な国債発行は躊躇すべきではない

高市)それから、いまは金利が低い。だからプライマリーバランスが赤字でも、名目金利を上回る名目成長率を達成して行けば、財政が破綻することはありません。財政はむしろ改善します。企業も、借金で投資を拡大して成長しています。国も成長につながる投資をすれば、将来の納税者にも恩恵が及ぶのです。こういう危機管理投資に必要な国債発行は躊躇すべきではないと考えています。

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