東日本大震災から10年、今こそ見直したい地震補償 SBIいきいき少短・新村社長インタビュー

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8月30日(月) からの1週間、ニッポン放送では防災への意識を再確認してもらうキャンペーン「防災ウィーク」を実施。今年は東日本大震災から10年、熊本地震から5年というタイミングということで、「SBIいきいき少短の地震の保険」を展開するSBIいきいき少額短期保険株式会社・新村光由社長にインタビュー、同保険などについて話を聞いた。

東日本大震災から10年、今こそ見直したい地震補償 SBIいきいき少短・新村社長インタビュー

――まず、「SBIいきいき少額短期保険」とはどのような会社なのでしょう?

新村「もともとは雑誌『いきいき』(現在の『ハルメク』)が母体で、医療共済から始まりました。その後、2013年にSBIグループに入り、医療保険や死亡保険などを扱う少額短期保険業者として事業を展開しています」

今回は、「SBIいきいき少短の地震の保険」について紹介するが、その前にみなさんは通常の地震保険についてどれくらいの知識があるだろうか?

新村「通常の地震保険は、火災保険とセットで加入する必要があります。さらに、地震保険の補償額は、火災保険の保険金額の30~50%の範囲でしか設定できないという制約があります。火災保険は『建物の評価額を基準に保険金額を設定する』ものです。そうすると、例えば、お住まいの一戸建ての評価額が2000万円で、保険金額2000万円の火災保険に加入した場合、地震保険の補償額は最大でその50%までになるということです」

つまり、2000万円の火災保険を契約している場合、地震保険は上限1000万円までしか加入できない仕組みになっている。これによって発生する問題が2重ローン。まだ住宅ローンが残っている家が地震によって全壊してしまった場合、建て直すために、また新たに住宅ローンを組まなければならない。この問題が顕著に現れたのが、1995年に発生した阪神・淡路大震災だ。

新村「当時、地震保険に入っていたとしても、補償されるのは最大で火災保険の半分。まだ住んで数年しか経っていない状態で住宅が全壊したら、結局は足りませんよね。再建するには新たな住宅ローンを2重で組むことになり、賃貸で住むにしても家賃が重ねて負担になってしまったのです」

東日本大震災から10年、今こそ見直したい地震補償 SBIいきいき少短・新村社長インタビュー

こういった負担を少しでも軽くするために役立ててほしいのが「SBIいきいき少短の地震の保険」と語る新村社長。

――「SBIいきいき少短の地震の保険」、最大の特徴はどこでしょうか?

新村「単独でも上乗せでも加入できるところかなと思います。火災保険に入っていても入っていなくても、当社の保険に入ることができる、そこが大きいですね」

熊本地震が発生した2016年当時、新村社長(当時は現在、SBIいきいき少額短期保険と共同で保険引受を行っているSBIリスタ少額短期保険の前身、SBI少額短期保険株式会社に所属)は被災地へ行き、被害状況を目の当たりにしたことや被災者の方々と接したことで、保険の重要性を再認識したと語った。地震大国といわれる日本に住んでいる以上、いつ自身が被災者になってもおかしくない。そのため、万が一に備えてのリスクイメージを持つことは大切だ。

新村「火災保険とセットで入る地震保険はおそらく、みなさんご存じかと思いますが、それとは別に、単独で入れる少額短期の地震補償保険がある、というのはまだまだ認知されていないかもしれません」

その他、通常の地震保険と異なる点は、被災時に自治体が発行する『り災証明書(罹災証明書)』に基づいて保険金が支払われること。『り災証明書』とは、大規模な地震などの災害が発生した際、地方自治体が発行する被害の公的な証明書で、国などから補償を受けるために必要な書類。地震保険では一般的に、『り災証明書』ではなく、鑑定人が現地に足を運び損害状況から支払額が決められる。

新村「損害保険の分野でコストのかかるところの一つが、損害調査なんです。当社は『り災証明書』を基にお支払いするので、鑑定人のコストが抑えられます。そのぶん、保険料を手ごろにできるんです」

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――「SBIいきいき少短の地震の保険」に加入するには、『新耐震基準を満たしている(1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物、または耐震改修によって新耐震基準を満たした建物である)こと』と、もうひとつ『持ち家でそこに住んでいること』という条件を満たしていればいいのですね?

新村「この保険の正式名称は『地震被災からの再スタート費用保険』となっていまして、自宅が被害を受けた場合に生活を取り戻すための費用に充てていただくという位置づけなのです。“生活を再建するための費用”なので、建物の大きさや価値は関係なく、2つの条件を満たしていれば、あとは『何人家族か?』によって、選べる保険金額が変わってきます」

例えば、5 人世帯の場合は最大900万円まで、1人世帯なら300万円までというように、家族の人数によって加入できる保険金額の上限が決まっている。

新村「住宅の損壊を支払基準にしていますが、“壊れた家を取り戻すための保険”ではなくて、それまで営まれていた“生活を取り戻すための保険”という考え方なんです」

東日本大震災から10年、今こそ見直したい地震補償 SBIいきいき少短・新村社長インタビュー

――「SBIいきいき少短の地震の保険」はどういった人にオススメでしょうか?

新村「持ち家にお住まいの方、全員におすすめしたいのですが、一番は、住宅ローンの残高が多い方と、高齢の方かと思います。高齢になると住宅ローンが組めなくなってしまいます。お金を借りられなければ、貯金を取り崩すか、保険で備えるかになると思います。あとは、これから学費がかかるお子さんがいらっしゃるご家庭にも強くおすすめしたいですね」

その他には、住まいの地盤や地形に不安がある方も、万が一に備えて加入を検討してみてはいかがだろうか。最後に新村社長から読者へのメッセージを伺った。

新村「保険に限らず、今は自治体のハザードマップもありますし、そういったもので自分の住んでいるところの災害リスクを把握して、事前に備えていただきたいですね。そして、災害が起こってしまったときの避難場所、家族との連絡手段など、そういったことを一度ご家族で話してみていただきたいと思います」

東日本大震災から10年、今こそ見直したい地震補償 SBIいきいき少短・新村社長インタビュー

SBIいきいき少額短期保険では、9月1日の「防災の日」に合わせて、“地震・防災”に関するアンケートを実施したところ、「お住まいの地域における将来の大地震発生の可能性」では、昨年「発生すると思う」の回答が61.7%だったのに対し、今年は56.2%まで減少。地震補償については、「不十分だと思う」が「十分だと思う」を上回る結果になったそう。

実際、自身の身や身近に起こってみないと薄れてしまう防災意識だが、起きてからでは手遅れになることも多い。東日本大震災から10年、熊本地震から5年。この節目に改めて考えてみてはいかがだろうか。

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