【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1015回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、9月17日に公開された『マスカレード・ナイト』と『偽りの隣人 ある諜報員の告白』をご紹介します。
映画館で観たい!『マスカレード・ナイト』~木村拓哉×長澤まさみ、唯一無二のバディが復活!
興行収入46.4億円を叩き出し、大ヒットを記録した前作『マスカレード・ホテル』から2年。原作者・東野圭吾氏の絶賛コメントも嬉しい後押しとなり、早くも続編がスクリーンに登場しました。
破天荒な刑事と、真面目過ぎるホテルマン。“水と油”のバディが、再び難事件に挑みます。
『マスカレード・ナイト』のあらすじ
警察に1通の匿名ファックスが届いた。その内容によると、都内のマンションで起きた殺人事件の犯人が、大晦日にホテル・コルテシア東京で開催されるカウントダウン・パーティー、通称“マスカレード・ナイト”に現れる……というのだ。
警視庁捜査一課の破天荒な刑事・新田浩介は、捜査のため再びフロントクラークとしてホテルに潜入。優秀だが真面目過ぎるホテルマン・山岸尚美の協力を得て、事件の解決にあたることに。
しかし、パーティーへの参加者は500人。しかも全員が仮装し、素顔は仮面で隠している。2人は顔も姿もわからない殺人犯の“仮面”に隠された“真実”に近づこうとするが……。
『マスカレード・ナイト』のみどころ
主人公の新田浩介を演じたのは、もちろん木村拓哉。東野圭吾氏が木村拓哉に「“あて書き”した」と語るこのキャラクターは、まさに正真正銘のハマリ役。類まれな洞察力を備えた天才刑事を見事に演じきり、さらなる魅力を放っています。
そんな新田のバディとなる山岸尚美役は、長澤まさみ。コンシェルジュに昇格し、ホテルマンとして成長している姿は必見です。
そして、彼らを中心としたメインキャストは、全員が前作から続投。小日向文世、渡部篤郎をはじめとした警察メンバーに、石橋凌、鶴見辰吾、石川恋たち“ホテル・コルテシア東京”メンバー。実力派俳優陣の見事なアンサンブルを堪能することができるのも、グランドホテル形式の本作ならでは。
そして『マスカレード』シリーズと言えば、次々にホテルを訪れる主役クラスの豪華キャスト陣。中村アン、田中みな実、沢村一樹、勝村政信、木村佳乃、凰稀かなめ、麻生久美子、高岡早紀、博多華丸などなど、個性豊かな面々が登場し、鮮烈な印象を残しています。
原作では数日に及ぶストーリーを、“大晦日の1日に起こる出来事”へと変更したことで、展開がよりスピーディーで濃厚になった本作。
果たして、仮面(マスカレード)を被った犯人の正体とは……。華やかでミステリアスなパーティーに、是非、あなたも足を踏み入れてみて。
コチラも映画館で観たい!『偽りの隣人 ある諜報員の告白』~政治家×諜報員、骨太な人間ドラマ
1985年、軍事政権下の韓国。次期大統領選への立候補を阻むために自宅軟禁された野党総裁イ・ウィシクと、隣人を装って彼を監視する諜報員のユ・デグォン。
実在する有名な大統領をモデルに、国家を揺るがせた男たちの“正義”を描いた社会派サスペンス『偽りの隣人 ある諜報員の告白』。
「韓国現代史における軍事独裁政権と民主化運動の対立」という重いテーマを扱いつつも、コミカルなシーンを交えながら、まったく飽きの来ないエンターテインメント作品として確立させています。イ・ファンギョン監督の手腕に、感服するばかりの意欲作です。
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『マスカレード・ナイト』
2021年9月17日(金)から全国東宝系にてロードショー
出演:木村拓哉、長澤まさみ、小日向文世、梶原善、泉澤祐希、東根作寿英、石川恋、中村アン、田中みな実、石黒賢、沢村一樹、勝村政信、木村佳乃、凰稀かなめ、麻生久美子、高岡早紀、博多華丸、鶴見辰吾、篠井英介、石橋凌、渡部篤郎
原作:東野圭吾「マスカレード・ナイト」(集英社文庫刊)
脚本:岡田道尚
音楽:佐藤直紀
監督:鈴木雅之
配給:東宝
(C)2021東野圭吾/集英社・映画「マスカレード・ナイト」製作委員会
公式サイト https://masquerade-night.jp/
『偽りの隣人 ある諜報員の告白』
2021年9月17日(金)からシネマート新宿ほか全国公開
監督・脚本:イ・ファンギョン
出演:チョン・ウ、オ・ダルス ほか
原題:이웃사촌
英題:BEST FRIEND
配給:アルバトロス・フィルム
(C)2020 LittleBig Pictures All Rights Reserved.
公式サイト https://itsuwari-rinjin.com/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/