黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(9月17日放送)に日清食品株式会社代表取締役社長の安藤徳隆が出演。経営者としての想いについて語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。9月13日(月)~9月17日(金)のゲストは日清食品株式会社代表取締役社長の安藤徳隆。5日目は、経営者としての想いについて---
黒木)安藤社長は就任から6年と言うことなのですけれども、お若くていらっしゃいますが、社長としてリーダーシップなど、学ばれたことはありますか?
安藤)日清食品の社長としては、攻めの姿勢というのが大切だなと思っています。当然いまある会社の資産を効率的に回して行くというマネジメントも重要ではあるのですが、それ以上に、社員や消費者の皆さまにワクワクしてもらえるようなビジョンや取り組みを生み出して行くという姿勢が社長として必要だと思います。
黒木)会議をなさったときには、必ずその場で決めてしまうということですが、即行重視というのは、「笑いがあったらその瞬間を切り取って、それが面白いという方向性になって行く」ということですか?
安藤)それもありますね。会議のなかで社員も楽しく議論できていることというのは、面白いものを生み出す可能性を多く秘めていますし、それ以上にスピード感です。いまの時代は時間が流れるのが早いので、経営もスピードを上げて行かなくてはいけません。「明日議論しましょう」、「来週までに考えてきます」ではなくて、その場ですべて決めてしまうということです。
黒木)その場で決める。
安藤)日清食品はクリエイティビティ、またはユニークさを大切にしていますので、「私自身のクリエイティビティが高まる環境とはどういうものなのか」と考えたことがあります。結論としては、照明色がオレンジ色の方が私自身は面白いアイデアが出やすいということに気が付きました。
黒木)気がついたこと自体が面白いです。
安藤)よく会議室にありがちな、青白い照明の白い部屋というのが苦手で、どちらかというとバーカウンターのような、少しオレンジ色の電球色の方がリラックスできるのか、その方が面白い発想や面白い戦略が出て来る、議論が弾むのです。
黒木)照明の色が大事なのですね。
安藤)それに気が付いてから、社長室の照明も電球色に変えたり、自宅もいくつかの部屋で変えて、考えるときはその部屋に行きます。
黒木)最後になりましたけれども、現在のコロナ禍で消費者の食に対する意識が変化して来たと思いますが、社長はどのように考えていらっしゃいますか?
安藤)コロナ禍で消費者の新しい感覚がたくさん出て来たと思うのです。その1つが実は完全栄養食の発想につながっているのです。コロナ太りとかステイホーム肥満みたいなものが増えて来て、消費者の健康意識が変わり、「栄養バランスの取れたものを簡単に摂るにはどうしたらよいのか」と感じる方が増えてきています。開発のスピードを上げるのであれば、いまかなと考えました。
黒木)「これだけは言っておかなくては」ということはございますか?
安藤)カップヌードルが9月18日で50周年を迎えました。
黒木)50周年。おめでとうございます。
安藤)皆さんぜひ、スーパーやコンビニに走って、お祝いのために1食買って食べていただければと思います。
安藤徳隆(あんどう・のりたか)/ 日清食品株式会社代表取締役社長
■1977年6月8日生まれ。大阪府出身。
■祖父で日清食品創業者・安藤百福の鞄持ちを3年間務めた後、2007年に入社。マーケティング本部や経営戦略本部を経て、2015年から日清食品の社長に就任。
■2019年、雑誌「日経ビジネス」の『世界を動かす日本人50』に選出。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳