男性の更年期障害 ~セルフチェックの5つのポイント
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医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が12月7日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。男性の更年期障害の見つけ方、また更年期障害に対する考え方について解説した。
男性更年期障害の原因の1つ ~テストステロンの減少
飯田浩司アナウンサー)男性の更年期障害の原因の1つが、男性ホルモンの一種であるテストステロンの減少ということですが、いつごろから減って来るのですか?
森田)一般的には、30歳ごろからテストステロンの減少が始まり、年々減少して行くと報告されています。男性更年期障害の症状がある方を対象に、血液中のテストステロンの値を測ってみると、少なくなっている場合が多いのです。一般的に60歳になりますと、男性ホルモンの量は40歳のときと比べて、4分の1くらいに低下しているという研究報告があります。ただ、テストステロンの減少の割合は個人差が大きいので、70代でも30代の男性と同じような値の方もいらっしゃいます。
飯田)それほど違うのですね。
森田)違います。更年期障害で悩む人を発見することは難しいのですが、医療機関に行ってこの値を測定することにより、治療に結びつく場合もあります。
セルフチェックの5つのポイント
飯田)他に簡単にチェックできる方法はありますか?
森田)セルフチェックのポイントがいくつかあります。いまから5項目をあげますので、いくつ当てはまるか考えてみてください。1つ目、性欲が少なくなって来た。2つ目、仕事の効率が低下した。3つ目、体力や持続力が低下した。4つ目、気分の変化がある。この気分の変化は、例えば楽しみが少なくなって来たとか、悲しみや怒りが増えて来たなど、そういう気分の変化です。5つ目、夕食後にうたた寝することがある。いくつ当てはまりましたか?
飯田)4~5つくらいですね。
森田)3つ以上該当すると、男性更年期障害が疑われるということになります。
マイペースで物事にこだわらない人は更年期障害になりにくい
森田)ここにあげた5つの症状の他にも、女性の更年期障害と同様に、動悸が起きたり、頭痛や発汗、ほてり、のぼせなどの症状が出ることがあります。
飯田)なるほど。
森田)スポーツマンだった人が急に運動をやめてしまったり、あるいは仕事を一生懸命頑張っていた方が、急にやめてしまうという場合も、発症のきっかけになります。生活のリズムが乱れて、自律神経などにトラブルが生じるためです。逆に、マイペースで物事にこだわらない人は、ストレスも溜まりませんので、男性更年期障害になりにくいとも言えます。
夫婦で治療効果を高め合う
新行市佳アナウンサー)周りの人や家族も気付いてあげた方がいいですよね。
森田)自分の体の不調は見落としがちなので、家族が早く気付いて、「受診した方がいいよ」と呼び掛けることが大事だと思います。日常の会話のなかから異変を見つけていただいて、受診のきっかけになればと思います。
飯田)家族が。
森田)ご夫妻で、同じ時期に更年期障害になるパターンもよくあります。それがお互いに支え合うきっかけになったり、治療効果を2人で高め合うことにもなります。更年期障害について、ご夫妻で話し合う、または家族で話し合う機会を持っていただければと思います。
飯田)病気のせいにできるというのは、お互い落としどころがあるというところで、精神的にいいですね。
森田)「こういう病気で、いまこういう不調があるのだ」と理解することで、気持ちが楽になるという面もあります。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます