参議院選挙までは「安全運転」で行く岸田内閣

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月17日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。1月17日に召集される通常国会について解説した。

2022年1月13日、記者の質問に答える岸田総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202201/13bura.html)

参議院選挙までは安全運転で行く ~「改革」は一切ない岸田政権

1月17日から第208回通常国会が召集される。会期は延長がなければ6月15日までの150日間で、令和4年度の予算案、新型コロナへの対応などが議論される。

飯田)本日(1月17日)は、衆参両院で岸田総理大臣の施政方針演説が行われるという予定です。政府4演説というものが行われます。150日間、どういうところが論点になりますか?

須田)施政方針演説の内容に関して言うと、年頭会見がありましたが、この範囲のなかに収まるのだろうと思います。年頭会見を見ますと、あまり目新しさはありません。従来の首相の方針や方向性を考えてみると、「こういうところを改めます」という改革を必ず言うのに、今回の年頭会見のコメントのなかには、改革が一切ないのです。これが1つ、大きなポイントです。

飯田)改革がない。

須田)全方位外交と言ったらいいのでしょうか。逆に言えば八方美人というか、敵をつくらない、揉め事をつくらない、摩擦を起こさない。とにかく「参議院選挙までは安全運転で行こうではないか」という気持ちの表れなのだろうと思います。

コロナ対応でミスを犯さない

飯田)総理の所信表明演説は、臨時国会と特別国会で2回やっていますけれども、そのなかでも、「ここを変える」ということがメッセージとしてないなど、いろいろなところで指摘されていました。この流れは変わらないということですか?

須田)特にコロナ対応については、夏に参議院選挙が控えていて、それまでは高い支持率を維持しようという考えです。菅前政権のことを考えると、コロナ対応に関する世論の反発が支持率に影響を与えることになります。

飯田)菅政権では影響が出た。

須田)とにかく「支持率は下げない」。これが最優先となっている。そのためには、「コロナ対応でミスを犯さない」ということに重点があるのだと思います。

世論の動向によって変わる岸田政権のコロナ対策

飯田)そのミスを犯さないというところが、「厳しく行動制限をかける」というところに向いているような気もするのですが、この辺りはいかがですか?

須田)それは世論の動向の見極めなのです。世論が「重症化しないのだから、行動制限を厳しくやられたら困る」という方向になれば、「それなら医療提供体制の対策に軸足を持って行きましょう」となる。「こんなに増えて大丈夫か」となれば、「行動制限をしましょう」となる。「世論誘導型」という対応になるのではないかと思います。

飯田)世論誘導型。

須田)いまの行動制限のかけ方は、従来の感染者数だけではなく、「医療提供体制の状況を見極める」という建て付けになっているにもかかわらず、その辺りの基準が曖昧です。沖縄や広島、山口に対するまん延防止等重点措置などの対応もそうではないですか。感染者数が増えて来た結果、そういう対応になってしまったと考えると、やはり世論の動向、風向き次第なのかなと思います。

30日から新型コロナウイルス感染症の専門病院となる東京城東病院の病室。左奥は新たに設置された陰圧装置=2021年9月29日、東京都江東区 写真提供:時事通信

医療従事者は濃厚接触しても「自宅待機0日」は適切な対応か

飯田)病床が埋まっている、埋まっていないという状況があり、その後、緩めましたけれども、最初は「オミクロン株の感染者は全員入院」という対応をしていました。まだその時期の対応で入院されていて、10日間経っていないために入院が続いているという人も、なかにはいるのではないかと思います。

須田)本当にそれで大丈夫なのかと。例えばエッセンシャルワーカーの方、医療従事者の方は、事実上、濃厚接触者の場合でも、「自宅待機0日」という方向性が打ち出されている。実際にお医者さんに話を聞いてみると、やはり不安だと言います。毎日PCR検査を受けるので、陽性にはなっていないけれど、万が一、自分が感染していて、自分の病気が感染源になってしまったことに対する恐れを抱えながら仕事をしなければならない。それに対するケアはどうなっているのか。ただ、そうは言っても社会を回して行かなければならないというところで、その対応が適切なのかというところは、わかりにくいですよね。

バイデン大統領と岸田総理がオンライン会談

飯田)外交に関してですが、ホワイトハウスが16日、バイデン大統領と岸田総理が21日にオンライン形式で会談するということを発表しました。岸田政権は対面に拘って調整していました。

須田)バイデン大統領サイドも、中間選挙を控えているということもあるのでしょうし、「きちんとした結果が出ないのであれば、(対面では)やらない方がいいのではないか」という考え方だったのだろうと思います。

飯田)なるほど。

須田)日本側がお土産というと言い過ぎかも知れませんが、「何か具体的な結果を出そう」という状況にはないのだろうと思います。選挙での結果を出さなければ、岸田さんとしては、リーダーシップを発揮できない状況にあるのだと思います。

飯田)日米の関係は、東アジア全体に対しても重要だということが言われています。対面で会って、「日米の関係は盤石だ」ということをアピールしたかったという向きもあると思うのですが。

須田)ただ、その辺りのバイデン大統領と岸田総理の関係は、決して悪くないだろうと思います。バイデン大統領とは、副大統領時代に外務大臣というカウンターパートでしたから、信頼関係があると思います。バイの外交ではありませんが、マルチのなかでは顔を合わせていますし。

飯田)G7サミットのときに。

須田)ギクシャクしているという状況ではないと思います。「いまは結果を出すことができない状況である」と考えてもらっていいと思います。

決まらない野党の立ち位置

飯田)一方で、国内の国会ですが、野党側はどう攻めるのでしょうか?

須田)野党側も参議院選挙を意識すると、立ち位置がなかなか決まらないのです。野党第1党の立憲民主党はどうするのですかと。共産党との野党共闘はこのまま進めるのかどうか。党内で組織的な決定はしているのか。泉代表は、その辺りについては消極的ですが、それを進めるべきだという声もあるわけです。

飯田)進めるべきだという声も。

須田)これは内部分裂を孕んだ動きとしてあるでしょう。また、国民民主党と都民ファーストの会の連携はどうなるのか。維新は今後どう動いて行くのか。この辺りも参議院選挙を睨むなかで、まだ決まっていない状況にあるのではないかと思います。

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