ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月17日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。12月の国内企業物価指数が前年同月比8.5%上昇したというニュースについて解説した。
12月の国内企業物価指数が8.5%上昇
2021年12月の国内企業物価指数は、前年同月比8・5%上昇の108・7だった。21年の年間を通した指数は前年比4・8%上昇の105・1で、比較可能な昭和56年以降、最大の伸び率だった。原材料価格の高騰と円安が影響し、記録的な高水準が続いている。
飯田)12月の国内企業物価指数は、前年同月比で8.5%上昇ということで、10ヵ月連続で前年の水準を上回ったということが大きく報じられています。これは物価が上がって行く兆候なのですか?
須田)物価が上がって行く兆候であり、なおかつ、悪い物価上昇なのです。つまり、賃金上昇を伴っているものではなく、原材料価格が上がって行くまでの物価上昇ですから。最初に企業間の取引……昔は卸売物価指数と言っていたのですが、企業間の物価が上がって行って、結果的に消費者物価指数が上がって行く。
飯田)企業間の物価が上がって。
須田)その前兆として考えると、我々が商品やサービスを買う価格が今後上がって行く可能性は極めて高い。とは言っても、企業の業績が改善しているわけではありません。たくさんものが売れて利益が上がり、物価が上がっているわけではありませんから、結果的に給料が上がって行かないという状況になります。
コロナ禍による一時的なものかどうか、要警戒
須田)これが一時的なものなのかどうか。原油や天然ガスについて言うと、一時的な需給のミスマッチがあるし、あるいはコンテナ不足という、コロナ禍の影響もある。これが一時的なものになるのか、あるいはコンスタントに上がって行くのか。この辺りは要警戒だと思います。
岸田政権は景気にどうテコ入れするのか
飯田)消費者物価にまで影響が出て来ると、内需がもともと冷え込んでいるところでさらに、ということになります。そうすると、景気にどうテコ入れして行くのかという話になります。
須田)本日(1月17日)から通常国会が召集されますが、補正予算の成立が遅れていました。本来なら昨年(2021年)のうちにやっておくべきことを先送りしてしまった。さらに、オミクロン株の感染拡大を受けて、「Go To 事業」の時期も遅れている。そのなかで国内の景気がどう動いて行くのかということは、非常に心配なところです。
飯田)臨時国会で成立した補正予算が効いて来るのは、1月末か2月という話です。そうすると、岸田さんはここまで安全運転で来ているけれども、いろいろ課題はある。
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