「米軍基地からのオミクロン株感染」で野党推薦の新人が追い上げ ~名護市長選挙

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月17日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。1月23日に投開票される沖縄県の名護市長選挙について解説した。

「米軍基地からのオミクロン株感染」で野党推薦の新人が追い上げ ~名護市長選挙

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

沖縄・名護市長選挙

任期満了に伴う沖縄・名護市長選挙が1月16日、告示された。立候補したのは無所属の新人で元名護市議の岸本洋平さんと、無所属で現職の渡具知武豊さんの2人。投開票日は1月23日である。

飯田)1週間の選挙戦ということになりましたけれども、名護市には、普天間飛行場の移設先となっているキャンプ・シュワブがあります。

ここへ来て野党支援の無所属新人が追い上げている

須田)当初は現職有利とみられていたのですが、ここへ来て、米軍基地が発端とされているオミクロン株の感染拡大を受け、しかもそれをきっかけに例の地位協定の問題にまで話が広がり、無所属の新人で、国政野党が支援する候補者の方がかなり追い上げて来ています。緊迫した状況になっていると思います。

飯田)現職側は、基地問題に関しては「注視して行く」とおっしゃっている。一方で国からさまざまな補助金等を引っ張って来た。それを原資として保育の無償化などをやっているのだという、4年の実績をアピールする形のようですね。

「オール沖縄」という実態はない ~参議院選挙、県知事選挙の前哨戦である名護市長選挙

須田)昨年(2021年)くらいから「オール沖縄」という枠が壊れつつあったのです。オール沖縄というのは、保守勢力を含めての体制だったけれど、玉城知事の方針に保守勢力の方がついて行けなくなり、分裂してしまった。現在、オール沖縄という枠組みは、現実的にはないのです。名乗るかも知れませんが、実態を表していないと思います。

飯田)かつて翁長前県知事の時代にあった、結束力のようなものが。

須田)失われている。それを前提として、今年(2022年)は参議院選挙、県知事選挙と選挙イヤーです。それ以外にも重要な選挙はありますが、特に大きな2つの選挙がある。その前哨戦として、名護市長選挙は位置付けられています。ですから、国政野党系が獲れば、そのままの勢いで参議員選挙、県知事選挙に突っ走れるけれども、そうではなかった場合、かなり劣勢に立たされる。そうでなくても、沖縄において野党系は、先の衆議院選挙で思ったほど票が獲れなかった。議席が確保できなかったという状況がありますから。

自民・公明推薦の現職へはコロナ禍による金銭的依存から「国とうまくやって欲しい」

飯田)「オール沖縄は選挙が強い」と言われていました。一方で昨年の衆議院選挙では、名護の辺りも選挙区として入っている3区に関して、自民党の候補が小選挙区で勝ったということで、その辺りも流れが変わって来ているのではないかと言われました。

須田)新型コロナウイルスの影響を受けて、基地ばかりではなく、経済の話もして行かないと、沖縄県の経済はこのままダメになってしまうのではないか。また、企業経営も県民経済も苦しくなって来たということもあり、「リアルな経済の対策も打ってもらわないと困る」という動きが出て来ているのではないかと思います。

飯田)沖縄の大きな柱の1つである観光業にとって、コロナ対策は重要です。

須田)沖縄だけの問題ではなく、日本のほとんどの地方がそうなのだけれど、その辺りに対する国のお金への依存性が高まるなかで、「国とうまくやって欲しい」というところもあるのだと思います。

飯田)名護市も名護東道路という、新たな沖縄道と直結する高速道路もできたりしています。その辺りでも、いろいろ考えるところがありますよね。

須田)沖縄の米軍基地からオミクロン株が拡がってしまったということによって、少し違う方向になって来たなと思います。

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