ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月18日放送)にジャーナリストの有本香が出演。政府が1都10県にまん延防止等重点措置を適用する方向で調整しているというニュースについて解説した。
1都10県、「まん延防止」適用の方向で調整 ~重症者の病床使用率は1%
新型コロナウイルス「オミクロン株」の感染拡大を受けて、政府は、東京など1都10県について、まん延防止等重点措置を適用する方向で調整していることがわかった。早ければ、1月19日にも決定する見通しだ。
飯田)東京・埼玉・千葉・神奈川の1都3県に加えて、三重・岐阜・愛知の中京圏。それに新潟・長崎・宮崎・熊本を足し合わせると、1都10県になります。「病床使用率が20%を超えた」ということが速報で流れています。
有本)大阪は少し基準が違うようですが、「病床使用率20%」というのが1つの線引きになっています。しかし、現状を見ると、重症者の病床使用率は、東京では1%なのですね。
飯田)1%のようですね。
飲食店の営業を午後8時までにすることは妥当なのか
有本)これで、飲食店の営業を午後8時までにすることの妥当性を、どのように理解したらよいのでしょうか? 「まん延防止」もずいぶんと長くやって来ていますが、「これによって、本当にまん延が防止できているのか」という検証はされているのでしょうか? もちろん、カラオケなどで一部クラスターが出ているので、いろいろと対策をしなければいけないと思います。しかし、夜8時で店を閉めることの妥当性については、私は理解できていません。
飯田)秋口に、日本経団連がデータを出したことを記憶しています。JR東日本などの協力で、ICカードのデータをもとに「改札をどのくらいの人が通ったか」という調査です。人流の増減を見ることができるのですが、それとPCR陽性者との相関性はあまりないだろう、ということでした。このような調査も出て来ているのですが……。
オミクロン株の知見が国民に知らされていない ~なぜ研究機関を総動員して解析・分析しないのか
有本)オミクロン株については、「重症化しにくい」などということも言われていますが、「分母が増えれば、重症化率が低くても、重症者そのものは増えるのだ」と言われています。一方で、「オミクロン株は何なのだ」という知見は、国民には全然知らされていない。
飯田)海外事例で、南アフリカやイギリスなどが出て来ているはずですが。
有本)パーフェクトに決まった定見は難しいかも知れません。ただ、現段階で、日本にも多くの専門機関や研究機関があり、感染症の研究者がたくさんいらっしゃるのに、それらを総動員しての解析・分析はされていません。実際に研究者の方が、「なぜ株を分けてくれないのか」と言っているのです。「入って来たら、すぐに株を分けてくれ」と。ただ、そうはなっていない。「この病気はこういうものだ」ということも言われない。極論を言ってしまうと、これは質の悪い風邪ですよね。
飯田)症状として言われているのはそうですね。重症化しなければ特にそうです。
「文句を言われないようにやっておけばいい」ということが見えてしまう
有本)風邪だって、「風邪は万病の元」と言われ、重症化したり、肺炎になったり、亡くなる原因になることもあります。「そういうことかな」と思っている人も多いです。今回の「まん延防止」適用に関しては、疑問の声や反発もかなり出て来ると思います。「とりあえず、文句を言われないようにやっておけばいい」という感覚が見えてしまうところもあります。
飯田)今回、「ギュッ」と締めるけれども、世論の動向によってはまた変えると。
有本)また開けるということです。
飯田)そして「PCR陽性者が増えたぞ」と騒ぎ出せば、また締める。このようなことを繰り返すのでしょうか?
有本)PCR検査をやればやるほど、陽性者は増えるのです。
飯田)「オミクロン株」は特に無症状や軽症が多いと言われています。
有本)すべて入院させていたら当然、病床はなくなります。
飯田)当初は「オミクロン株感染者は全員入院」という話でした。
飲食店に食材を提供する卸業者も補償の対象に入れるべき
有本)まずは普通の感覚に戻った方がよいと思います。それと、飲食店を20時までに閉めることと、それに伴う補償について。お金が入って来るのはかなりあとになります。資金繰りは非常に厳しいという話があります。2年やって来て、深刻だなと感じるのは、飲食店がこれだけ閉まるということは、そこに食材を供給する卸業者さんなど、東京で言えば豊洲市場の仲卸の方々などですが、このような人たちは補償の対象外ということです。
飯田)相変わらずそうです。
有本)やるのならば全般的に、いろいろなところに目配りをするべきだと思います。
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