「林医院」院長で杉並区医師会会長の稲葉貴子氏が2月15日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。コロナ禍における杉並区医師会の活動について解説した。
高齢者の方から集団接種会場でワクチン接種を開始
飯田浩司アナウンサー)新型コロナワクチン接種について、3回目の接種が取り沙汰されています。去年(2021年)の2回の接種では、現場は頑張りましたよね。
稲葉)杉並区はまず、地域の基幹病院が中心になって集団接種会場を設置しました。そこに、杉並区医師会に入会している個人医療機関の医師が問診医として、また、歯科医師会の先生も参加されて進めて来ました。ワクチン供給がある程度回転するようになってからは、個人の医療機関でもワクチン接種を始めました。
高齢者の方が地元のかかりつけ医で接種することができなかった
稲葉)残念だったのが、集団接種会場では高齢者の方から接種したので、高齢者の方が地元のかかりつけ医で接種できなかったことです。かかりつけ医で接種できる状況になった段階では、普段あまり医療機関に来ないような若い方が、地元の医療機関で打つような状況でした。
飯田)若い方が。
稲葉)ただ、若い方にとっては、地元の医療機関で接種したおかげで、「何かあったときにはその医師に相談する」というきっかけになったのではないでしょうか。
飯田)そうですね。
稲葉)3回目以降は、高齢者の方も地域のかかりつけ医で打てるようにしたいと思っています。基本的には、高齢の方が困らないように、「あなたは何月何日にどちらの接種会場で打っていただけます」というご案内をして、都合が悪い場合はキャンセルし、かかりつけ医にお願いすることが可能になるような体制で進めています。
行政と医師の間に育まれた信頼関係
飯田)1回目や2回目接種のときに選択肢が多くあると、迷ってしまって予約しない人が出たようです。それよりも「あなたはここです」と指定した方がスムーズに回るという知見を得ることができました。その辺りが活かされていますか?
稲葉)地区医師会と開業医、病院、また行政や保健所の方たちとコロナ対策についての会議を50回近く重ねて来ました。いままでだと病院と開業医には少し距離があったのですが、その距離が近くなって来て、それぞれが腹を割って話せるような状況になりました。行政と医師との間でも、「一緒にやって行こう」という感じが少しずつできて来ました。
飯田)行政と医師の間にも信頼関係が。
稲葉)「協力しよう」とお互いに歩み寄っている状況にあります。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます