長生きするために必要なものは何か? ~気になる「寿命の研究結果」

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医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が2月11日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。人間の寿命について解説した。

長生きするために必要なものは何か? ~気になる「寿命の研究結果」

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

社会的に孤立している人の死亡率は男性で2.3倍、女性で2.8倍高い

森田)突然ですけれど、友達は多い方ですか? それとも少ない方ですか?

飯田浩司アナウンサー)私は少ないですね。

新行市佳アナウンサー)それほど多くないと思います。

森田)アメリカの研究では、さまざまな社会的つながりがある人と孤立している人の死亡率を比べたところ、孤立している人の死亡率は男性で2.3倍、女性で2.8倍高かったそうです。つながりが多い人ほど、すなわち友達の数が多い人ほど外出も増えますし、運動不足も解消されやすい。また、多くの友人と交流して楽しむことはストレス解消になって、脳の活動にもいいのではないかという報告があるのです。

飯田)孤立というのは、いろいろな国で問題になっていますものね。

森田)友達の数、というようにこの研究では結論づけていますけれども、1人か2人でもいいので、心底自分の気持ちが話せるような友達を持つということは、つながりを深めることにおいて大事なのではないでしょうか。

生き甲斐がない人の死亡リスクは、生き甲斐がある人の1.4倍

森田)寿命と生き甲斐は関係が深いということもデータからわかって来ています。飯田さんや新行さんは、生き甲斐をよく感じていますか? どんなときに「ああ、きょうは生き甲斐を感じたな」と思いますか?

飯田)生き甲斐を感じたか。

新行)なかなかピンと来ないですね。

森田)宮城県で40歳~79歳までの約5万5000人(回答者は5万2000人)を対象に、生活習慣などのアンケート調査を実施した際、生き甲斐というところに注目して、その後7年間の死亡率を比べたそうです。「生き甲斐がある」と答えた人を標準とすると、「どちらとも言えない」と答えた人の死亡リスクは1.1倍、生き甲斐が「ない」と答えた人は1.4倍に上がっていたそうです。また死因別では、生きがいが「ない」と答えた人のうち、循環器疾患などの死亡が1.6倍、事故や自殺などによる死亡が2.4倍という結果になったのです。

新行)ええ! そうなのですか。

森田)生き甲斐を持つということは、単に寿命を延ばすだけではなく、他の病気にも罹りにくくするということが考えられるのです。

新行)確かにそうかも知れないですよね。

長生きするために必要なものは何か? ~気になる「寿命の研究結果」

新行市佳アナウンサー、森田豊氏、飯田浩司アナウンサー

健康より仕事を選んだ人の死亡率は11%低い ~最も死亡率が高いのは「名誉」を選んだ人の28%

森田)同じアンケート調査で、日常生活において大切だと思うことは何かを対象者に聞いています。その後、12年間にわたって生存状況を追跡したところ、「健康」より「仕事」を選んだ人の方が長生きしているという意外な結果が出ているのです。

飯田)そうなのですか?

森田)「仕事」と答えた人たちの死亡率は11%と、低い数字だったということです。一方、死亡率が最も高かったのは「名誉」と答えた人たちで、何と死亡率が28%も高かったそうです。

飯田)28%も。

森田)仕事を生き甲斐にすること自体は悪くないと思いますけれど、やはり名誉のために働くのはどうかな、というような研究結果だったのです。

新行)なるほど。

飯田)仕事というか、中身の部分が楽しいと思っていればいいけれども、という感じなのですかね。

森田)働き甲斐のある仕事に就いている人は、それが寿命の長さにもつながるし、循環器疾患による死亡も少なくなるということです。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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