歩行速度が速い人は長生きする
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医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が2月10日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。寿命を延ばすためにおすすめのスポーツについて解説した。
時速5.76キロの早歩きの人の平均寿命は95歳
飯田浩司アナウンサー)「健康を保つためには運動がいい」と言いますけれども、やはり体を動かすということは寿命にも関わって来ますか?
森田)歩く速さが人の寿命に関係しているという報告があります。2011年のアメリカの研究によると、歩行速度が速い人ほど生存率が高い、遅い人ほど生存率が低いと結論付けています。研究では65歳以上の男女3万4485人について、歩行スピードと寿命との関係を21年間、データ処理したのですけれど、早歩きできる人というのは筋肉量が維持されて、呼吸器や循環器の働きが保たれているということになるのです。
飯田)早く歩く人は。
森田)ちなみにこの論文では、時速0.72キロメートルと非常にゆっくり歩く方々の統計的な平均寿命が約74歳、逆に時速5.76キロメートルと、かなり早歩きの方々の平均寿命は95歳ということです。
飯田)最近、早起きで疲れているのか、やたら人に抜かされるのですよね。スポーツはやらなくてはいけないと思いながらも、何をやろうかなというところで躊躇してしまう方も多いと思うのですが。
寿命を長くするスポーツはテニス
森田)スポーツをすることで寿命が長くなるのは想像がつくと思いますけれども、どんなスポーツの種目が寿命を上げていると思いますか? 新行さん。
新行市佳アナウンサー)球技とか。
飯田)では団体スポーツ?
新行)団体スポーツ、そうですね。テニスや、野球などですかね。
森田)みんなでやるから?
新行)みんなでやるということと、ボールを投げたりするので手先も使うし、体全体を使うようなイメージが何となくあります。団体スポーツだとコミュニケーションをとったりもするし、頭も使うかなと思って。
森田)飯田さんはどうですか?
飯田)全身運動というイメージで、水泳かなと思ったりします。
森田)消費カロリーも大きいですよね。さらに聞きますが、いまから言うスポーツの種目のうち、どれがいちばん寿命を長くするでしょうか。テニス、バドミントン、サッカー、サイクリング、スイミング、ジョギング、徒手体操、ジム。
新行)サッカー?
飯田)サイクリングとか。
森田)いろいろ出ましたけれども、正解はテニスなのです。
飯田・新行)そうなのですか。
2人以上で行うスポーツが寿命を延ばす可能性
森田)デンマークとアメリカの研究者からなるチームが、テニス、バドミントン、サッカー、サイクリング、スイミング、ジョギング、徒手体操、ジムでのエクササイズと、8種類のスポーツを調査しました。その結果、テニスをしていた人の平均余命が9.7年も長くなっていて、最も余命を長くしていたということがわかったのです。テニスの他には、バドミントンとサッカーも効果が大きかったことから、新行さんが先ほどおっしゃっていましたけれども、理由の1つとして、2人以上で行うスポーツが寿命を延ばすのではないかと考えられています。
飯田・新行)なるほど。
森田)研究チームは、「定期的に集まるグループに属していることは、支え合い、信頼し合い、共有し合う人たちがいることで気持ちが高まる。これが幸福感につながり、長期的な健康を促進するものだ」と説明しています。
飯田)なるほど。体を動かすこともそうですが、それだけではなく、心の部分もということですね。
森田)その通りだと思います。どんなスポーツでも、スポーツをすれば体が鍛えられますし、健康にはいいのですけれども、可能であればみんなでコミュニケーションを取りながらできるようなスポーツの方がいいということを、何となく知識として学んでいただきたいなと思いました。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます