「勝利を確信」しているウクライナの人たち ~キエフの状況を現地からレポート

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月29日放送)に映画監督でジャーナリストの新田義貴氏が生出演。ロシアによるウクライナ侵攻のなか、ウクライナの首都・キエフの現状をレポートした。

ロシアによるウクライナ侵攻の懸念が高まるなか、国土防衛に協力したいという一般住民の軍事訓練が行われた。軍事訓練で自動小銃の組み立て方を学ぶ民間人の参加者 =2022年2月19日、キエフ近郊  写真提供:産経新聞社

ロシアとウクライナの停戦交渉、イスタンブールで開催へ

ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、対面での停戦交渉が日本時間3月29日午後、トルコのイスタンブールで開催される見通しとなった。

飯田)停戦交渉は3月7日にロシアの影響下にあるベラルーシで行われて以来、4回目ということです。侵略が始まり、既に1ヵ月あまりが経っています。ここでは、ウクライナで取材を続けていらっしゃる、映画監督でジャーナリストの新田義貴さんに現地の様子を伺います。

新田さんは1992年にNHKに入られ、報道局などで中東やアフリカ、アジアなど、さまざまな紛争を取材していらっしゃいました。2009年に独立し、映像制作ユーラシアビジョンを設立。そして、今年(2022年)の3月に取材のため、ウクライナに入ったということです。いまはどちらにいらっしゃいますか?

新田)いまはポーランドとの国境に近い、ウクライナ西部のリビウという街にいます。

飯田)キエフに長く滞在されて、そこから戻って来たのですか?

新田)そうです。

市街戦に備える要塞のようなキエフ

飯田)いまのキエフはどのような状況なのでしょうか?

新田)キエフはここから車で片道10時間ほどのところにあり、ウクライナの中央にある首都です。キエフに在住するウクライナ人の映画監督のアパート……旧ソ連時代につくられた、普通の住宅の5階で暮らしながら取材していたのですが、街中は塹壕や土嚢、バリケードがいたるところにあり、そこに兵士がいます。いつロシア軍が侵攻して来てもいいように、市街戦に備える要塞のような街になっていました。

飯田)市民の暮らしはどのようなものなのですか?

新田)市民が200万人ほど残っていると言われていますが、首都であるのに、少し前までは歩いている人も僅かでした。しかし、いまは買い物をしたり、犬の散歩をする人も見かけます。ずっと引きこもっているわけではなく、それなりの暮らしはありました。

飯田)そうですか。

新田)レストランはすべて閉まっていますが、大きなスーパーは開いており、物資不足でパニックになるというような状況ではありませんでした。

キエフ近郊でロケット弾の発射準備をするウクライナ兵士(ウクライナ・キエフ近郊) AFP=時事 写真提供:時事通信

勝利を確信しているウクライナの人たち

参議院議員・山田太郎)住民の方々は不安だと思います。日本でもみんなが買い占めをして、スーパーに何もなくなってしまったということがありました。原発や発電所が狙われていますが、寒いところなので電気がこのまま供給されるだろうかという懸念や、通信についても心配だと思います。携帯が通じなくなれば、市民は孤立化してしまいます。その辺りの現状や今後の懸念は、皆さん感じているのでしょうか?

新田)キエフは、私たちが行った当初は「ロシア軍が侵攻して来るかも知れない。ここ1週間が勝負どきだ」と言われていたのですが、ロシア軍の動きが停滞していて、そのときから状況は変わっていません。ミサイル攻撃があり、住宅が攻撃されて住民に被害が出ることもありますが、大きな侵攻はいまのところありません。

飯田)ロシア軍の動きが停滞していて。

新田)南部のマリウポリは孤立してしまい、無差別攻撃で無残な状態になっていますが、キエフはまだそうはなっていません。私がいまいるリビウの辺りは、西からの補給ルートも機能していますし、鉄道も動いていて、物資が行き交っている状態です。電気も水道もガスも、いまのところ問題はないと思います。

飯田)リビウは。

新田)ロシア軍が停滞しているなかで、ウクライナの人たちは「勝利を確信している」という印象です。

飯田)勝利を確信している。

新田)キエフには入って来られないだろうと。しかし、それが油断に変わって、いざというときに逃げ遅れるのではないかという危惧もあります。

市民の団結がとても強いウクライナ

飯田)武器の使い方や「モロトフ・カクテル」と呼ばれる火炎瓶をつくるなど、市民の方々もかなり積極的に参加しているという様子をレポートされています。

新田)火炎瓶や銃の講習会などを取材しましたが、全般的にウクライナの方は、ロシア軍の侵攻に抵抗しようという気持ちがとても強い。これをきっかけに国が大きく団結して、武器を持つということだけではなく、道端で若者たちが土嚢をつくるなど、軍に協力しています。また、女性たちがお弁当をつくって兵士に届けるなど、さまざまなボランティアのネットワークができており、それが現状の戦闘状況で見えているロシア軍との彼我の差になっているのではないかと思います。

日本がウクライナにするべきこと

飯田)最後に、現地で取材をされて来て、日本ができること、あるいは託されたメッセージ等がありましたらお願いします。

新田)ウクライナは日本から見て遠い国であったと思いますが、ウクライナの人は親日的で、日本のアニメや伝統文化に尊敬を持っています。また、チェルノブイリ原発事故があったので、福島や広島、長崎に対する共感もあります。日本に対する期待も大きく、戦争という不幸な機会ではありますが、ウクライナの人たちの現状をよく見ていただきたいと思います。そしてヨーロッパとロシアの板挟みになっているウクライナに対し、自分も含めてアジア、日本から独自の助けができればと思います。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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