背骨が曲がる「側弯症」、進行させないためには
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ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」(4月3日放送)に、日本臨床整形外科学会・新井貞男理事長が出演。「側弯症」について語った。
淵澤由樹(アシスタント):今回は、子どもに多いとされる「側弯症」について伺います。
新井:側弯症は、背骨が曲がってしまう病気です。背骨がずれたり、ねじれてきてしまう。それに伴って、お辞儀をしたときにも左右差が出てくるなど、脊柱が湾曲する病気です。男性よりも女性に多く、だいたい5倍~8倍ほど差があります。特に問題となるのが、思春期に発症する「思春期側弯症」です。女性に多く、側弯自体が気になるので精神的な問題も起こしやすいです。
自見はなこ:小学生のころに学校医の先生が来て、低学年は裸で、高学年は洋服を着てしゃがんだことを覚えていませんか?
淵澤:何となく覚えています。
自見:あれは高低差を見ています。左右のどちらかが下がっていると、側弯症の疑いとなります。ただ問題もあって、洋服の上から目視するには限界があります。最近では機械を使って、正確な診断をしようという動きがあります。
新井:モアレという機械を使います。従来から使われていましたが、現在はAIを使って側弯の出っ張り具合を客観的に数値化する機械があります。その機械を普及しようとしています。
自見:新井理事長がご尽力くださっています。学校健診は文科省であり、我々医療側がデータにアクセスするためには、省庁の縦割り問題があります。ここの連携が大変なのですよね。子どもたちにとっては、早くわかれば矯正できるし、手当もあります。イメージしにくいかも知れませんが、側弯は背骨がぐ~んと曲がってしまうので、肺・心臓・肝臓などが圧迫されてしまいます。
淵澤:痛そうですね。
新井:痛くないのです。だから困ってしまう。
自見:自覚症状がないのです。年を経るにつれて圧迫された臓器に障害が出たり、呼吸不全や、心臓にも影響が出る場合があります。早期発見し、早めに対応することが重要です。
新井:早期発見すれば進行は止められます。しかし、曲がってしまったものを治すには、手術しかありません。
自見:手術するにも、背骨なので大掛かりです。できる限り早い段階で対応し、装具で補正することなどが必要です。
番組情報
この番組は、子育てで日々奮闘しているママやパパ、そしておじいちゃん、おばあちゃん、ご近所さんなど、子育てに関わる皆様に、役立つ情報を提供してゆく子育て応援プログラムです。
ナビゲーター:尾木直樹 アシスタント:淵澤由樹(フリーアナウンサー)