「学校に行く、会社に行く」というときに急にお腹が痛くなる「過敏性腸症候群(IBS)」

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東京都医師会理事で「鳥居内科クリニック」院長の鳥居明氏が5月5日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。過敏性腸症候群(IBS)について解説した。

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

下痢や便秘、また、下痢と便秘を繰り返す混合型の症状が数ヵ月以上続く「過敏性腸症候群(IBS)」

飯田)今回は最近患者さんが増えているという「過敏性腸症候群(IBS)」について伺います。呼び方は英語と日本語の2つがあるのですか?

鳥居)「IBS」の正式名称は“Irritable Bowel Syndrome”であり、過敏性腸症候群を英語で言ったものの頭文字を取った略語です。長いので患者さんも「IBS」と言っていますけれども、同じものです。

飯田)この病気の定義はどういうものになるのでしょうか?

鳥居)細かい定義は学会によっていろいろとありますが、簡単に言うと、1つは腹痛や腹部不快感などの腹部症状ですね。それから便通異常、下痢や便秘、また、下痢と便秘を繰り返す混合型があります。通常、3ヵ月以上は症状が続く場合が多いです。ストレスの影響も非常に受けやすい。それと、最終的には致死的疾患が除外されます。がんや潰瘍などがないにもかかわらず、このような症状が出るというのが定義になります。

「学校に行く、会社に行く」というときにお腹が痛くなり、トイレに行きたくなる

飯田)日常生活にも支障が出ますか?

鳥居)学校に行く、会社に行くなど、何かやろうとするときにトイレに行きたくなったり、お腹が痛くなるのです。ですから、社会生活に非常に大きな影響がありますし、患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ/生活の質)や、社会活動での生産性、労働生産性も落ちます。

飯田)QOL……生活の質に影響を受けますね。

鳥居)予期不安というものがあって、「またなるのではないか」ということを考えると、なおさら症状が強く出てしまうのです。

メンタルとストレスによって腸が過敏に反応

飯田)原因はメンタルにあるのですか?

鳥居)メンタルの影響やストレスによって、腸が過敏に反応すると言われています。自律神経のバランスが崩れた場合には、交感神経が腸の動きを止めてしまいます。副交感神経は腸の動きを速めますが、そのバランスが崩れてしまう。

飯田)なるほど。

新行市佳アナウンサー)そう考えると、腸は精神的な部分の影響を受けるものなのですね。

鳥居)非常に大きいですね。「脳腸相関」という言葉があるのですが、脳と腸が相関している。脳で起こったことが腸で働く。「第2の脳」と言われているぐらい、腸は微妙な働きをしています。

新行市佳アナウンサー、鳥居明氏、飯田浩司アナウンサー

若い人に多く発症

飯田)年齢も関係しますか?

鳥居)過敏性腸症候群は、若い人に多いです。特に男性は下痢型、女性は便秘型・混合型が多いのですけれども、65歳ぐらいになると、男性も便秘型の過敏性腸症候群になる方が多くなります。

飯田)生活の変わり目のようなものは影響しますか?

鳥居)はっきりした原因はわかっていないのですが、10代~20代はいろいろと環境の変化があります。それから65歳ぐらいで定年になり、社会生活が変わって、家族での立場も変わると、それらの要因からストレスを受けるのではないでしょうか。

コロナ禍による生活環境の変化で増えるIBS ~学校に行かなくても自宅で授業が受けられ発症しなくなった例も

飯田)最近、IBS(過敏性腸症候群)の患者さんが増えているのは、コロナ禍による生活変化の影響もありますか?

鳥居)それはあります。マスク1つとってもストレスになりますし、運動量も減っています。過敏性腸症候群の治療法の1つに、運動療法があるのですが、それもできなくなってストレスが溜まってしまう場合があります。

飯田)運動ができず。

鳥居)逆に一部では、悩んでいた人がよくなっているケースもあります。学校に行くときに調子が悪くなるという方が、リモートで自宅で授業を受けられるようになり、学校に行く必要がなくなったのです。そういう方々にとっては、いい状況になっていますけれども、一般的には社会環境の変化でストレスを受けることによって、過敏性腸症候群に悩んでいる方が増えているのは事実です。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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