【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1057回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、大ヒット公開中の『シン・ウルトラマン』と『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』をご紹介します。
映画館で観たい!『シン・ウルトラマン』 ~その眼差しの先には、何が見えているのか……
1966年のテレビ放送開始以来、海外でも100を超える地域で放送され、いまなお多くのファンを魅了するヒーロー、ウルトラマン。日本を代表する人気キャラクターが、新たに『シン・ウルトラマン』として映画化されました。
『シン・ゴジラ』の庵野秀明と樋口真嗣がタッグを組み、新たな試みに挑んだ空想特撮映画です。
『シン・ウルトラマン』のあらすじ
「禍威獣(カイジュウ)」と呼ばれる巨大不明生物があらわれ、その存在が日常となった日本。通常兵器ではまったく歯が立たず、限界を迎えた日本政府はスペシャリストを集めて「禍威獣特設対策室専従班」、通称「禍特対(カトクタイ)」を設立する。
選ばれたのは班長の田村君男以下、作戦立案担当官・神永新二、非粒子物理学者・滝明久、そして汎用生物学者・船縁由美。
彼らが任務を遂行していたあるとき、大気圏外から銀色の巨人が突如出現。その巨人対策のために、分析官の浅見弘子が禍特対に配属される。神永とバディを組むことになり……。
『シン・ウルトラマン』のみどころ
主人公の神永新二を演じたのは、斎藤工。これまでさまざまな作品で存在感を残してきた実力派俳優が、“ウルトラマンになる男”を熱演しています。
地球の平和を守る禍特対のメンバーには、西島秀俊、長澤まさみ、有岡大貴、早見あかりと、超豪華なキャストが集結。また田中哲司、山本耕史、岩松了、長塚圭史、嶋田久作、益岡徹、山崎一、和田聰宏が物語の鍵を握る重要な役どころで出演しています。
さらに初代「ウルトラマン」に初登場し、凶悪宇宙人とも呼ばれている外星人・ザラブの声を人気声優の津田健次郎が担当していることにも注目ですよ。
本作のウルトラマンのデザインコンセプトとなったのは、「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」などで美術総監督を務めた成田亨氏が、1983年に描いた絵画「真実と正義と美の化身」。
成田氏の絵画に魅せられた企画・脚本の庵野秀明が「この美しさを映像にできないだろうか」と考えたことから、そのウルトラマンの姿を再現することとなりました。
胸にカラータイマーはなく、背部には脱着用のファスナーを隠す“背びれ”もない。シンプルでありながら完成されたビジュアルは神々しいまでに美しく、圧倒されるばかりです。
作品の原点に立ち戻りながら、初めてテレビで「ウルトラマン」を見たときの衝撃を現代に蘇らせた本作。“未だ誰も見たことがない”ウルトラマンを、スクリーンで目撃して。
映画館で観たい!『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』 ~ついに“禁断の世界”が開かれた!
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『ドクター・ストレンジ』シリーズの最新作。元天才外科医にして“上から目線”な最強の魔術師ドクター・ストレンジが、マーベル史上最も予測不能で壮大な戦いを繰り広げる!
サム・ライミ監督によるホラー的演出や独自のカメラワークが、作品の世界観とうまくマッチしていて新鮮。これまでのMCU作品とは一線を画す、驚きに満ちた痛快な1作です。
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『シン・ウルトラマン』
全国東宝系公開中
出演:斎藤工、長澤まさみ、有岡大貴、早見あかり、田中哲司、西島秀俊、山本耕史、岩松了、嶋田久作、益岡徹、長塚圭史、山崎一、和田聰宏
企画・脚本:庵野秀明
監督:樋口真嗣
准監督:尾上克郎
副監督:轟木一騎
監督補:摩 砂 雪
音楽:宮内國郎 鷺巣詩郎
主題歌:「M八七」米津玄師(Sony Music Labels Inc.)
配給:東宝
(C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ
公式サイト https://shin-ultraman.jp/
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』
映画館で大ヒット公開中
監督:サム・ライミ
製作:ケヴィン・ファイギ
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、エリザベス・オルセン、ベネディクト・ウォン、レイチェル・マクアダムス、キウェテル・イジョフォー、ソーチー・ゴメス
日本語吹替版:三上哲、松下奈緒、行成とあ、田中美央、小野大輔、鬼頭明里
原題:Doctor Strange in the Multiverse of Madness
配給:ディズニー
(C)Marvel Studios 2022
公式サイト https://marvel.disney.co.jp/movie/dr-strange2/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/