腸内環境を整えれば、時差ボケも少なくなる
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東京都医師会理事で順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏が5月19日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。スポーツと自律神経について解説した。
チームにある「いい流れ」も伝播する
飯田浩司アナウンサー)自律神経は伝播するということですが、いい方の自律神経の流れも伝播するのですか?
小林)します。流れのいいチームは、守備も打撃も同じようなパターンでいい流れになります。ロッテの佐々木投手が完全試合をやったときの……。
飯田)佐々木朗希投手。
小林)あの流れはものすごくよかったですね。守備もエラーをしそうにもなかったです。いい流れになっているということです。
自律神経の伝播はどのスポーツも一緒
飯田)ラグビーのように体と体がぶつかるようなスポーツと、野球のように選手と選手が離れているスポーツがありますが、そういうことは関係なく、自律神経の伝播はあるのですか?
小林)まったく一緒です。競技内容に関係なく、いいパフォーマンスを出せるかどうかの話です。基本的には自律神経を整えて、細胞の1つひとつにいい血流を流すことができるかどうかの勝負なので、それはどのスポーツでも一緒です。
腸内環境を整えれば、時差ボケも少なくなる
飯田)自律神経の整え方で、「朝起きたら1杯の水を飲みなさい」など、いろいろな方法がありますが、アスリートに対しても基本的なことから言うのですか?
小林)朝起きたら1杯の水を飲んで、太陽の光を浴びて、3食とる。また、睡眠の前にはスマホを見ないというようなことは、同じように言います。それからお風呂に入り、食事は寝る前、最低でも2時間前には終わらせておくというような指導もします。
飯田)するのですね。
小林)いまは特に腸内環境を重要視しています。腸内環境を整えておけば、時差ボケも少なくなります。発酵食品や食物繊維をとるということを、管理栄養士たちとやっています。
飯田)ベテランの選手になると、寮で食事はしませんよね。
小林)結婚されている方は、ご家族を呼んで栄養指導をしますし、食事に関しては、選手自身も詳しくなっています。そういう教育を受けると、普段から意識して食べるものを選ぶようになるのです。
試合前の食事は腹7分目
飯田)食事については、コンディションによっても変えるのですか?
小林)そうですね。血糖値を上げないようにするため、野菜から食べ始めるというような指導もします。
飯田)食べ方まで。
小林)食べ方まで指導します。試合前は満腹にせず、腹7分目にするということも重要です。
SNSのトラブルから守るためには「スマホを一切見ない」
飯田)「寝る前にスマホを見ない」ということが大事だそうですが、誹謗中傷など、SNSによるトラブルも出てきています。どう指導されているのですか?
小林)これは完全に2つのタイプに分かれます。悪い情報が入ってきても、まったく気にしない人間がいるのです。何も気にしない、動揺もしない。そういう人は見ていてもいいと思います。
飯田)気にしない人は。
小林)逆に、自分の悪い評判や、プレッシャーが掛かるようなことを書かれるとダメな人もいます。それは自分でわかっているはずなので、そういう人は一切見なければいいのです。
新行市佳アナウンサー)それでも、つい気になって見てしまうという人もいると思いますが。
小林)いろいろなことを言う人もいますから、そこに引っ張られないよう、自分の軸を持たなければいけません。そのためには自律神経を安定させることです。そうしなければ引っ張られてしまいます。いちばん簡単なのは、危険なものには近寄らないということです。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます