キャスターの辛坊治郎が6月28日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。薬物を過剰摂取する「オーバードーズ」について言及した。
「オーバードーズ」と呼ばれる市販薬の大量摂取で意識を失った女性を放置したとして、警視庁池袋署は27日、医師の斎藤浩一容疑者ら男3人を保護責任者遺棄容疑で逮捕したと発表した。女性はその後、死亡した。
辛坊)ひと昔前の薬物パーティーみたいなことをしていたのでしょう。かつて、「合法ドラッグ」「脱法ドラッグ」という呼び方がありました。現在は、一般的に「危険ドラッグ」と呼ばれています。大麻や覚醒剤などに比べ手軽なイメージがありますが、効果や成分などはほぼ同じです。こうした薬物は法律による規制が厳しくなると、入手しにくくなりました。すると、薬物依存の人たちがどうしたかというと、風邪薬や咳止め薬といった簡単に買える市販薬を大量に飲むようになったんですね。これがオーバードーズです。
オーバードーズという言葉は、もともと「薬を飲みすぎる」という意味です。「薬の飲み過ぎには気をつけましょう」という啓発のための言葉だったんですが、今の若い人たちの間では「市販薬でトリップする」という意味で使われています。「トリップする」というのは、幻覚状態や陶酔状態などになることです。
今回の事件でなぜ、オーバードーズが大きなニュースになっているのか―。理由は、市販薬を使ったトリップのパーティー現場に現役の医師がいて、その医師がオーバードーズで意識を失った女性を放置して、そのまま立ち去ってしまったからです。市販薬を飲んでいたのだから、その行為自体ではおそらく取り締まれないのでしょう。そこで、「医師なら、どのくらい危険か分かるだろ!」「医師なら、人が死ぬことは予想できただろ!」ということで、保護責任者遺棄容疑の適用となったのでしょうね。
ところで、風邪薬とか咳止め薬だけではなく、亡くなるケースが最近多くみられるのがカフェインの過剰摂取です。実はこれ、危ないですよ。あまり知られていませんが、スタミナドリンクも大量に飲むと命に関わることがあります。ですから、薬も含めて目的にかなった用法、用量を守って正しく摂取してください。
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番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)