ジャーナリストの須田慎一郎が7月4日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。7月2日に発生したKDDIの通信障害について解説した。
KDDIの大規模な通信障害、全国最大3915万回線に影響
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7月2日未明に発生したKDDI(au)の通信障害では、全国的に携帯電話による音声通話やデータ通信が利用しづらくなり、家族らへの連絡が滞ったり、故障を疑って携帯ショップを訪れたりする人が続出。影響は広範に及んだ。
LINE電話などのアプリでのやりとりはできた
飯田)7月2日にKDDIの通信障害が起きましたが、影響を受けた街の人たちをニッポン放送報道部の記者が取材しました。
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街の人2)LINE電話は通じました。
街の人3)意外とそんなに困らなかったかなという印象です。
街の人4)待ち合わせをしている人と、具体的に駅のどこで待ち合わせるかという連絡ができなかったので、少し困ったりはしました。
街の人5)こんなに時間に遅れる人ではないからと思って。
記者)きょうですか?
街の人5)いまです。
街の人6)機種変更するのに、データを移行するのも全然動かなくて、運が悪かったです。
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飯田)さまざまな声がありました。アプリはつながるけれども、音声通話はつながらないというような経緯もあったようです。
IoT時代に向け、基幹となる通信が脆弱な状況にあることが判明 ~監督官庁の総務省にも責任がある
須田)これからますます本格的なIoT(Internet of Things)時代になると、ありとあらゆるものがインターネットに接続されるという時代を迎えるわけです。そうすると、基幹となる通信が極めて重要になります。しかし、それがこのように脆弱な状況にあって、長期間遮断されると大混乱に陥ってしまうということがわかったのです。
飯田)今回のことで。
須田)これを「どうしたらいいのか」という解決策は見つからない。一方でバックアップだけでなく、代替するような仕組みが構築されていないというところは、いろいろと大きな問題を孕んでいるのではないでしょうか。総務省も通信会社に一方的に依存するのではなく、総務省が主導してその辺りのリスク管理を行うべきだと思います。監督官庁なのだから、総務省にも相当責任があると思います。
飯田)怒っている場合ではないということですね。
須田)大臣のコメントを聞いていると、他人事のように感じてしまいます。
通信障害が平日のビジネスタイムに起きていたら、どういう状況になっていたのかということも検証するべき
飯田)処理しきれないだけのデータ量や接続要求があったときに、輻輳(ふくそう)というものが起こってしまう。そうすると「どれを優先してどれをカットするか」というような基準も、今後はつくっていかなければいけないということですか?
須田)加えて、あとで検証してもらいたいのだけれども、今回、唯一助かったのは土曜日だったということです。これが「平日のビジネスタイムであれば、どういう状況になっていたのか」ということを考えるべきだと思います。
飯田)機器のメンテナンスだから、利用が少ない土日を狙ったのかどうかというところですよね。しかし、最初の原因が人為的なミスだったというのは、何とも皮肉なところがありますね。
須田)人為的なミスもあることを前提に、システムというのは……。
飯田)組んでいた。
須田)インフラはそれが故障する、使えなくなるということを前提にバックアップがあるのです。送電網などがそうではないですか。2003年に北アメリカで大規模な停電が起きましたが、効率化を求めるあまりバックアップシステムをつくっていなかったというのが、大きな原因になっています。
今度、同様のことが起きたときにどう対応するのか
須田)今回、バックアップシステムとして、交換機が18台あったということですが、果たしてそれで十分なのかどうか。このような状況を受けて、他のバックアップシステムを違う形で構築することができるのかどうか、というところなのだと思います。
飯田)まったく何もしていなかったわけではなく、(2021年に発生した)ドコモの不具合を見て、乗り越えられるようなものをつくっていたということですから、原因究明をきちんとしなければいけないし、より深刻ですよね。
須田)「同じような状況が再び起きたときにどうするのか」というところを見極める必要があるのではないかと思います。
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