山形新幹線開業30周年の記念駅弁は3種類! 気になる第1弾は?
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「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
平成4(1992)年、日本で初めての新幹線・在来線直通列車として誕生した山形新幹線。7月1日に、開業から30年の節目を迎えました。それまでの在来線特急から昇格した「つばさ」の愛称は広く認知され、多くの方に親しまれています。この開業30周年の記念駅弁も、第1弾が7月1日から登場。米沢牛と沿線の幸がたっぷりと詰まっています。
東北新幹線40年&山形新幹線30年! 記念駅弁の旅(第3回/全4回)
東北新幹線を単独で駆け抜ける山形新幹線「つばさ」。山形新幹線は福島~山形間の奥羽本線のレールの幅を変えるなど、新幹線車両が直通できるように改良を行い、平成4(1992)年7月1日に開業しました。7年後の平成11(1999)年12月4日には、新庄まで延伸され、現在は東京~山形間が最速2時間26分、東京~新庄間は最速3時間11分で結ばれています。
山形新幹線らしさを最も感じられるのは福島を発車した直後。東北新幹線の高架橋から駆け下り、在来線の線路へと入っていくと、列車のスピードが一気に落ち、車窓の景色がゆっくり流れるようになります。そして庭坂駅を通過すると、大きく右にカーブを描いて上り勾配に差し掛かり、いよいよ板谷峠越え。このカーブに来ると“行くぞ山形!”という気分になりますね。
30年前の開業から“初代”山形新幹線として活躍したのは、日本では初めての新幹線・在来線直通車両として登場した400系新幹線電車でした。いままでの新幹線にはなかったシルバーの車体は、鮮明に記憶されている方も多いと思います。見た目は新幹線なのに、乗りこむときには、ホームと車両の間を埋めるステップが現れ、車内に入ると在来線特急と同じサイズ感なのが新鮮な感覚でした。平成22(2010)年に惜しまれつつ引退しています。
平成11(1999)年12月の山形新幹線新庄開業時に登場、その後400系新幹線電車を置き換えたのが、現在も主力として活躍するE3系新幹線電車です。シルバーの車体にグリーンのラインが入ったカラーリングで、400系新幹線電車もこの塗色に揃えられました。その後、平成26(2014)年の山形デスティネーションキャンペーンに合わせ、地元出身のデザイナー・奥山清行氏のデザインに変更され、現在に至ります。
そんな歴代の山形新幹線の車両が掛け紙に描かれた、山形新幹線開業30周年記念の駅弁が登場しています。米沢の老舗駅弁業者・松川弁当店が製造する、その名も「山形新幹線開業30周年記念弁当 米沢牛焼肉弁当」(1500円)。こちらは第1弾で8月31日までの限定販売。その後、駅弁業者を変えながら、第2弾・第3弾が予定されており、2022年の年末まで、「山形新幹線開業30周年記念弁当」が販売されます。
【おしながき】
・米沢牛焼肉重(山形県産はえぬき使用)
・いか人参
・おみづけ
・さくらんぼ
・厚焼き玉子
ふたを開けると、松川弁当店自慢の米沢にちなんだ米沢牛の焼肉はもちろん、山形新幹線沿線をイメージできる食材として、福島の郷土料理・いか人参が、山形新幹線と同じ年に開発された米・生え抜きのご飯の上に、鮮やかに盛り付けられています。付け合わせには厚焼き玉子の他、山形の漬物・おみづけ、山形新幹線の駅の名前(さくらんぼ東根)にもなっているさくらんぼが入っていて、ちょっとした旅気分も味わえるようになっています。
こちらの「米沢牛焼肉弁当」、米沢では松川弁当店・駅前店での販売、米沢駅売店では2日前までの予約販売(現在、駅売店は金・土・日・祝日に営業中)となります。このほか東京・上野・大宮・仙台の駅弁売店、山形エリア・福島のNEWDAYSでも販売があります。山形新幹線の開業によって首都圏と1~2時間で結ばれ、東京の人間にも身近な存在となった山形。最高の温泉と美味しいご飯を味わいに、久しぶりに「つばさ」で山形へ行きたくなりました。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/