33年ぶりの特急「ひだ」新型車両デビューで記念駅弁登場!
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「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
新しいものが始まるときは、年を重ねてもわくわくするもの。7月1日から岐阜~富山間の高山本線を走る特急「ひだ」にハイブリッド式の新型車両が登場して話題を呼んでいます。今回はデビューに合わせて、高山の老舗駅弁屋さんから、記念駅弁も登場。33年ぶりとなる新型車両にかける期待の高さも伺えます。今回は車両デビューに先駆けて行われたイベントと、運行初日の美しい風景を交えて、記念駅弁をいただいてみました。
飛騨川に沿って走る高山本線。飛騨金山駅を境に列車は飛騨路へと入ります。さっそく車窓に広がるのは、風光明媚な中山七里。風のないダム湖の湖面にデビューしたばかりの特急「ひだ」の新型車両が映えます。ディーゼルエンジンでモーターを回し、そのモーターの力で走るハイブリッド式のHC85系車両。深い山間に響くエンジンの音も従来と比べかなり小さく、野鳥の元気な鳴き声もよく響き渡っているように感じられました。
特急「ひだ」に新型車両が入るのは、平成元(1989)年登場のキハ85系以来、33年ぶり。新型車両のデビューに先駆けて、6月25日・26日の週末には、高山駅をスタートとするJR東海のウォーキングイベント「さわやかウォーキング」も開催され、高山駅の構内には、新型車両が展示されて、ウォーキング参加者の皆さんに公開されました。これに合わせ、名古屋~高山間には、臨時特急「Hello! New HIDA ウォーキング」号も運行されました。
HC85系車両のお披露目に合わせて、高山駅白山口では、「新型ひだ号デビュー記念 マルシェ&コンサート」も開催され、地元のお店による出店や、さまざまなライブが行われて、好天に恵まれ、多くの人で賑わいました。高山駅弁・金亀館(きんきかん)もお店を出して、「全国有名駅弁大会」を開催。昼どきには多くの行列ができて、地元の皆さんが普段はなかなか目にすることのないエリアの駅弁を手に取っていかれました。
このイベントでHC85系車両のデビューに先駆け、ひと足早くデビューしたのが、金亀館の「HC85系デビュー記念弁当」(950円)です。金亀館がJR東海の協力を受けながら、HC85系車両の外観をモチーフとしたパッケージを製作、1800個限定で販売しています。発売初日は、昼までに完売し、急きょ追加生産が行われるほどの盛況ぶり。その後も、高山駅売店で取り置き(予約)をされる方が多いそうです。
【おしながき】
・おにぎり(菜っ葉、しばわかめ) 海苔
・鶏の唐揚げ
・えびフライ
・赤ウインナー
・かまぼこ
・厚焼き玉子
・煮物(椎茸、筍、がんもどき)
「HC85系デビュー記念弁当」は、女性の方やお子さんの食べやすさを意識した記念駅弁。名古屋~高山間・約2時間半の旅でいただくにも、ちょうどいい量となっています。加えて、オリジナルの缶バッジも付いていて、全部で3種類あるうちの1種類が封入されています。高山市内や奥飛騨温泉郷のお宿などで、飛騨牛などの料理をたっぷりいただいたあとに列車に乗ることを考えると、このボリューム感の駅弁はぜひ続けてほしいものです。
新型車両のデビューを祝うかのように、例年より早く梅雨が明け、HC85系車両も夏空によく映えています。HC85系車両の特急「ひだ」ですが、現在は名古屋~高山間で2往復、8月からは3往復で運行される予定です。今後は現在のキハ85系気動車を置き換えていくと伝えられています。この夏は、美味しい駅弁と一緒に、より快適なHC85系車両に揺られて、飛騨路の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/