「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
鉄道150年の今年(2022年)、宮城県も誕生から150周年の節目を迎えました。これを記念して、仙台駅には宮城県の海の幸、山の幸がたっぷり入った駅弁が登場しています。12のマスに入ったご当地の味を、さっそくチェックしていきましょう。
今年(2022年)は、日本の鉄道150年。全国の鉄道にはさまざまなルーツがあります。東北本線は、日本初の私鉄・日本鉄道によって建設されました。仙台駅の開業は、明治20(1887)年12月15日。この冬で開業135年を迎えます。昭和43(1968)年10月1日の東北本線全線電化・複線化までは、蒸気機関車がさまざまな列車で活躍していました。その仙台と石巻を結ぶ仙石線は、宮城電気鉄道として開業し、のちに国有化された路線です。
鉄道150年に先駆けて、宮城県も今年(2022年)2月16日に誕生150年を迎えました。この150周年を記念した駅弁「みやぎ御膳」(1500円)も、仙台駅弁・こばやしから登場。パッケージには記念のマークとともに県の形が描かれ、宮城県は旧仙台藩を中心とする「仙台県」を改称する形で生まれたこともあり、その礎を築いた伊達政宗公の騎馬像の写真もしっかりと入っています。紙ぶたの裏には、宮城県の歴史年表も記されています。
【おしながき】
・亘理名物はらこ飯(銀鮭といくら)
・帆立照焼きのだしご飯
・石巻産真穴子のちらし寿司
・梅ごはん (米は宮城県ひとめぼれ1等米の環境保全米(農薬使用50%以下)を使用)
・仙台名物牛たん焼き
・味噌南蛮漬け
・仙台名物笹かまぼこ
・三陸産さんまの甘露煮
・三陸産銀鮭の柚香焼き
・岩出山名産しそ巻き
・A5ランク仙台牛煮
・登米名産あぶら麩煮
・絹さや
・花人参煮
・宮城県産卵の厚焼き玉子
・鶏肉の仙台味噌漬焼き
・香の物(蔵王大根の味噌漬け、仙台長茄子漬け、紅大根)
・こごみ胡麻和え
・ずんだ餅
宮城県が誇る郷土料理が12のマスにぎっしりと詰まった「みやぎ御膳」。今年、発売から30周年を迎えた宮城県産「ひとめぼれ」を使ったご飯は、亘理名物のはらこめしに始まり、帆立ご飯、石巻の穴子を使ったちらし寿司、梅ごはんまで4種類の味が楽しめます。おかずも、仙台名物牛たんはもちろん、仙台牛や三陸ゆかりの鮭・さんまと、海の幸・山の幸が、万遍なく入って、〆のデザートは何といってもずんだ餅! 宮城県の豊かさを実感できます。
蒸気機関車で始まった日本の鉄道も、昭和30年代、仙山線での交流電化試験を経て、150年経ったいまでは、最高時速320kmで営業運転する新幹線の時代となっています。また、在来線の非電化区間も「仙石東北ライン」の列車に採用されているディーゼルエンジンでモーターを回して走るハイブリッド車両が新たな主流。宮城県150年の歴史とともに記念駅弁を味わいながら、鉄道150年の進歩の足跡を辿ってみるのも面白そうです。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/