「救急指定病院」の種類とそれぞれの役割

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「平成立石病院」副院長で救急科医師の大桃丈知氏が9月29日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。救急医療のシステム、また救急病院の種類について解説した。

「救急指定病院」の種類とそれぞれの役割

※画像はイメージです

「救急指定病院」……一定の機能と規模を持った「救急病院」

新行市佳アナウンサー)今回は救急病院の種類についてお聞きします。まず、「救急指定病院」というのはどんな病院なのでしょうか?

大桃)「指定」ですので、救急を指定されている病院ということになります。では誰が指定するのかという話ですが、都内にある病院であれば、東京都が指定しているということです。ある一定の規模と機能を持っている医療機関になります。

新行)東京都が指定している。

大桃)一般的には「救急病院」と言った方が馴染み易いでしょうか。救急でお腹が痛い、胸が苦しい、頭が痛いときなどにかかる病院です。

かかりつけ医に救急車で運ぶ場合もある

新行)救急車を呼んで運ばれていく先が、救急指定病院なのですか?

大桃)そのようにお考えいただいてもいいと思います。ただ救急車で搬送される場合は、救急告示ではない、「うちは救急を取りますよ」ということを言っていなくても、かかりつけの患者さんの場合には、そちらの方にお連れすることもあります。必ずしもすべてを救急病院に搬送するということではございません。

新行)そうなのですね。

大桃)やはり、かかりつけの先生がいちばんその方の病状をわかっておられると思いますし、もともと診ていた病気が悪化したような場合には、その先生に診てもらうのが、その方にとってもいちばんよいことです。その場合には、かかりつけの先生のもとに運ぶこともあります。

「救急指定病院」の種類とそれぞれの役割

大桃丈知氏、新行市佳アナウンサー

一次~三次に分かれる救急指定病院の種類

新行)救急指定病院は種類があるのですか?

大桃)例えば、循環器に特化した病院や、脳神経外科に特化した病院がわかりやすいと思います。

新行)なるほど。

大桃)「救命センター」という言葉を聞いたことがあると思いますが、救急は一次、二次、三次に分かれています。「救命センターは命の最後の砦」という言い方をされますが、「二次救急指定病院」という、24時間手術や緊急処置ができて入院もできる機関が都内でも定められています。そちらに救急患者を収容するのですが、そこでも手に負えないような重篤な方々を一手に引き受けてくれるのが、「救命センター」などの「三次救急指定病院」ということになると思います。

新行)重篤な方は救命センターが引き受ける。

大桃)ですので、症状の軽い方は医師会がやっている休日・夜間診療所のような、基本的には入院施設を持っていない医療機関で処置を行い、お家で様子が見られるような重症度、緊急度の患者さんを診る。そして、先ほどお話ししたように、入院や手術などの処置が必要な二次救急指定病院がある。そして最後の砦である三次救急と、救急医療の場合はこのようなシステムで動いています。

コロナ禍で多いときには1日60台以上の救急車が集中した、指定二次救急病院である「平成立石病院」

新行)先生が勤務している平成立石病院は、どの区分になりますか?

大桃)私たちの病院は、二次救急指定になります。「指定二次救急病院」というのが正確な言い方かも知れませんが、年間で多いときだと8000~9000台くらいの救急車を受け入れています。

新行)8000~9000台の救急車を。

大桃)コロナ禍では新型コロナウイルスの入院病床も持っていますので、新型コロナウイルスの重点医療機関という区分もあり、そういう機能も併せ持ちながら救急医療を展開していました。第7波ではかなり患者さんが増え、最も多いときだと1日60台以上の救急車が当院に集中したこともありました。

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