冷え性には「昆布風呂」が効果的

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医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が12月12日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。さまざまな研究結果に基づいた「冷え性対策」について語った。

冷え性には「昆布風呂」が効果的

※画像はイメージです

冷え性になる4つの原因

飯田浩司アナウンサー)今回は冷え性について伺います。私はそこまで冷え性ではないと思うのですが、女性で悩まれている方は多いですね。

新行市佳アナウンサー)私は手足が本当に冷たくなってしまいます。

1.運動不足

森田)冬は「体が冷えて辛い」と言う人が多くなります。冷えやすい人の原因をまとめると、1つ目の原因は熱をつくる筋肉が少ない。

飯田)筋肉が少ない。

森田)運動不足によるものです。

2.皮下脂肪が多い

森田)2つ目の原因は皮下脂肪が多いということです。皮下脂肪は、一度冷えると温まりにくい性質があるのです。

3.体を締め付ける衣類を着ることが多い

森田)3つ目は、体を締め付ける衣類を着ることが多く、血流の流れが悪い方。特に女性に多い原因です。

4.緊張しやすい人

森田)4つ目の原因は緊張しやすい人です。緊張しやすい人は交感神経が高ぶりやすいので、血管が収縮しやすく、手足の血流が滞る。これは男性に多い傾向があります。

飯田)男性に。

森田)すなわち筋肉を鍛え、皮下脂肪を少なくし、体を締め付ける衣類を避け、緊張せずにリラックスすることで、冷え性は解消されるということです。

首と両手足の太い血管を温めることで冷え性を改善することができる ~腹巻も保温効果がある

森田)仮に、このような原因をなくすことができなくても、体を温めることで冷えは改善されます。温める部分としては「首」と言われているところ、足首や手首、そして頭と胴体をつなぐ首です。手足が冷えるからと手足だけを温めるよりも、太めの血管があるところ、首・手首・足首の3つの首を温めることは効果的だとされています。

飯田)3つの首。

森田)その他、おへその脇に「腹部大動脈」という太い血管が走っていますので、お腹を温めるのも効果的です。

飯田)腹巻をするのは理にかなっているのですか?

森田)その通りですね。保温効果がバッチリということです。

冷え性には「昆布風呂」が効果的

新行市佳アナウンサー、森田豊氏、飯田浩司アナウンサー

太ももの筋肉を鍛えることが効果的

森田)抜本的な原因である筋肉量の減少ですが、筋肉を鍛えて熱をつくることが効果的だと思います。体の筋肉の70%は太ももにありますから、何といっても太ももを鍛える。スクワットなどは冷え性に対して効果があると考えられています。

飯田)森光子さんは毎日スクワットをやっていたそうですが、そういう意味でも効果的だったのですね。

森田)冷え性対策という意味でもいいですし、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)対策にもいいと思います。

42度の熱めのお湯に3分浸かるより、39度のぬるめのお湯に15分浸かった方が体が芯から温まる

新行)「温める」と言うとお風呂がありますが、お勧めのお風呂の入り方はありますか?

森田)サーモグラフィーを使った研究では、42度の熱めのお湯に3分浸かるより、39度のぬるめのお湯に15分浸かった方が、体が芯から温まるという結果が出ています。

新行)そうなのですね。

森田)入浴後の30分を比較しても、冷めにくいという結果が出ています。

昆布を風呂のなかに入れると保温効果が高まる

森田)さらに興味深い報告があって、お風呂に何かを入れることで保温効果が長持ちするのです。食べ物なのですが、何だと思いますか?

飯田)この時期、12月というと、やっぱりゆずとか。

新行)唐辛子とかですかね。

森田)なるほど。ゆずは正解なのです。

飯田)ゆずは正解ですか、やったー!

森田)もう1つは昆布なのです。

新行)昆布! 出汁を出すのですか?

森田)その通りです。東京ガスの研究所が実験を行ったところ、昆布を風呂のなかに入れると保温効果が高まることがわかりました。ひと掴み分、だいたい5cm程度に切って袋に入れ、水から煮出したものを使います。これを浴槽に入れた昆布風呂の方が、入浴から20分後の皮膚の温度が通常より3度ぐらい高くなることがわかったのです。

飯田)昆布風呂。

森田)その他、ゆずやみかんの皮、大根の葉なども保温効果があるということです。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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