『ファミリア』役所広司×吉沢亮、初の親子役で共演

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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1099回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画・ドラマを発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

今回は、現在公開中の『ファミリア』と『BAD CITY』をご紹介します。

『ファミリア』

画像を見る(全16枚) 『ファミリア』

映画館で観たい!『ファミリア』 ~“世界”とのつながりは、日常のすぐそばにある

出入国在留管理庁が2022年に発表した情報によると、日本に滞在する外国人の数は約296万人。その数はますます増加。300万人に迫る勢いとなっています。

日本で暮らす外国籍の方々が安心して暮らせる環境づくりの急務が叫ばれる昨今。そんな現代日本を背景とした映画が、話題となっています。

『ファミリア』は、陶器職人と海外で暮らすその息子、そして在日ブラジル人青年たちの絆を描いた物語。生まれ育った環境や国籍を超えて“家族”になろうとする人々の姿に迫ったオリジナル作品です。

『ファミリア』

『ファミリア』

『ファミリア』のあらすじ

山里でひとり暮らしをする、陶器職人の神谷誠治。ある日、息子・学が婚約者のナディアとともに、赴任先のアルジェリアから一時帰国。結婚を機に、仕事を辞めて陶器職人になると言うが、誠治はそれに反対する。

児童養護施設で育ち、荒くれ者だった誠治は、陶芸の道に進んだものの貧乏で、亡き妻には苦労をかけてばかり。息子には、同じような道を歩ませたくなかったのだ。

一方、隣町の団地に住む在日ブラジル人のマルコスは、半グレ集団から助けてくれた誠治に父親の面影を重ね、焼き物の仕事に興味を持つようになる……。

『ファミリア』

『ファミリア』

『ファミリア』のみどころ

主人公・神谷誠治を演じるのは、日本を代表する名優、役所広司。クランクイン前から土に触れてロクロを回すなど、焼き物の練習を繰り返し撮影に挑みました。

親の愛を知らずに育ち、不器用だけれども家族を心から愛している男の心情を体現。その情感あふれる演技は必見です。

誠治の息子・学には、役所広司とは本作が初共演となる吉沢亮。さらにMIYAVI、佐藤浩市、松重豊、中原丈雄、室井滋など、個性的なキャストが脇を固めています。

特筆すべきは、サガエルカスやワケドファジレをはじめとする、在日ブラジル人キャスト。彼らは、オーディションを兼ねて行われた数ヵ月にわたるワークショップを経て選ばれた精鋭たち。演技初挑戦とは思えない、その堂々たる存在感と輝きに、目が釘付けになること間違いなしですよ。

『ファミリア』

『ファミリア』

移民や差別といったセンシティブなテーマに斬り込んでいくチャレンジングな作風を、普遍的な家族の物語にまで昇華させた本作。

話す言葉や文化は違えども、「大切な人とともに生きたい」という願いに境界はない。殺伐としがちな現代に、ささやかな希望の灯火を照らしてくれる感動作です。

『BAD CITY』

『BAD CITY』

コチラも映画館で観たい!『BAD CITY』 ~祝! 小沢仁志、還暦記念作品

“顔面凶器”や“Vシネマの帝王”など、数々の異名を持ち、映画・ドラマで活躍し続ける俳優・小沢仁志。自身の“還暦記念映画”として、オリジナル脚本、製作総指揮、主演で製作したのが『BAD CITY』。

スタントなしで挑んだガチンコアクションは、60歳とは思えないほどの身のこなし。その破天荒ぶりに、胸が熱くなること間違いなし。

世界照準、日本発。本気のアクション・エンターテインメント。見逃したら、後悔しますぞ……。

『ファミリア』

『ファミリア』

『ファミリア』

全国公開中
出演:役所広司、吉沢亮、サガエルカス、ワケドファジレ、中原丈雄、室井滋、アリまらい果、シマダアラン、スミダグスタボ、髙橋里恩、高橋侃、管勇毅、井並テン、大空ゆうひ、安藤彰則、沖原一生、松重豊、MIYAVI、佐藤浩市

監督:成島出
製作総指揮:木下直哉
製作:野儀健太郎
プロデューサー:伊藤伴雄
脚本:いながききよたか
音楽:安川午朗
音楽プロデューサー:津島玄一
製作委員会:木下グループ、フェローズ、ディグ&フェローズ
制作プロダクション:ディグ&フェローズ
配給:キノフィルムズ
(C)2022「ファミリア」製作委員会
公式サイト https://familiar-movie.jp/

『BAD CITY』

『BAD CITY』

『BAD CITY』

2023年1月20日(金)から新宿ピカデリーほかにて公開
出演:小沢仁志、坂ノ上茜、勝矢、三元雅芸、諏訪太朗、島津健太郎、友和、桐生コウジ、浜田晃、松永有紗、許秀哲、圭叶、桑田昭彦、福田健次、中野英雄、小沢和義、永倉大輔、山口祥行、本宮泰風、波岡一喜、TAK∴、壇蜜、加藤雅也、かたせ梨乃、リリー・フランキー

製作総指揮・脚本:OZAWA
監督・アクション監督:園村健介
主題歌:クレジーケンバンド「こわもて」(doublejoy international/ UNIVERSAL SIGMA)
製作:人見剛史、岡本全竜、小林未生和
エグゼクティブプロデューサー:鈴木祐介
プロデューサー:服巻泰三、小林良二、角田陸
製作幹事:ライツキューブ
制作プロダクション:ソリッドフィーチャー
配給:渋谷プロダクション
(C)2022「BAD CITY」製作委員会
公式サイト https://www.badcity2022.com/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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