キャスターの辛坊治郎が3月2日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。新型コロナウイルスの感染症法上の分類の「5類」への移行に伴う医療費の見直しを伝える報道手法をめぐり、「『自己負担』を強調することによる世論誘導だ」と指摘した。
厚生労働省は1日、新型コロナウイルスの感染症法上の分類の「5類」への移行に伴い、医療体制の見直しについて議論した。見直し案では、現在無料となっている検査や陽性判明後の外来診療について、5類移行日の5月8日から患者に負担を求める。また、入院費も自己負担を原則とするが、高額になる場合は9月末まで1カ月に最大2万円軽減され、価格の高い治療薬も9月末まで無料とする。関係者と調整を行い、3月10日にも方針を示す。
辛坊)コロナの5類移行に伴う医療費に関する多くの報道は、かなり意図的な世論誘導だという印象があります。なぜなら、多くのメディアで見出しなどに医療費の自己負担を強調する傾向が見られるからです。5類移行に反対する勢力が相当に根強くいるのだと感じますね。最近の世論調査を見ても、少し前の時期とは逆に、5類移行に反対する人が賛成する人を上回っているケースがあります。「5類に移行すると医療費が自己負担になるから大変だ」と感じている人が多いからではないでしょうか。
5類移行後、コロナの医療費は全額が本人負担になるわけではありません。通常の病気扱いになるわけですから、コロナであっても一般的には3割の個人負担で、7割は健康保険による公費負担です。また、一定年齢以上の高齢者もほとんどの人は1割の自己負担で、9割は公費負担です。それにもかかわらず、多くの報道が自己負担を強調しています。これは、ネガティブキャンペーンの一環なのではないかと感じます。
実際に、医療機関に対してはコロナ病床1床あたり1日最大43万6000円の病床確保料が、国から都道府県を通じて支払われています。いわゆる補助金です。この補助金で儲かっている医療機関があるくらいですから、コロナの5類移行に反対する医療関係者がいることも、うなずけます。ですから皆さん、この手の世論誘導には気をつけたほうがいいですよ。こうした意図的な世論誘導が行われているこの国は、異常です。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)