カレーは飲む美容液! 専門家が解説、スパイスのうれしい効果とその使い方

By -  公開:  更新:

スパイス・ハーブの専門家の大平美弥さんが、上柳昌彦アナウンサーがパーソナリティを務める、ラジオ番組「上柳昌彦 あさぼらけ」内コーナー『食は生きる力 今朝も元気にいただきます』(ニッポン放送 毎週月・金曜 朝5時25分頃)にゲスト出演。スパイスの役割や健康・美容効果、定番の和食料理にも使えるスパイスの応用方法を紹介した。

カレーは飲む美容液! 専門家が解説、スパイスのうれしい効果とその使い方

大平さんは金融業界に身を置くも、食への興味が捨てきれないまま、スパイス、ハーブ、漢方、紅茶を学び、これらを多くの人と共有していきたいと思うようになり、退職。講演やメディア出演、レシピ監修、スパイス・ハーブティーの監修、メニュー開発やコンサルティングを通じ、スパイスの楽しさを広める活動を行っている。

■スパイスの役割とは

上柳:スパイスにはいろいろな役割があって、香りとか辛味だけではないそうですね。

大平:スパイスは仕事をしてくれていると私はいつも思っていて、その仕事というのは、香りをつける、くさみを消すというのが大前提です。料理にはいろいろな肉を使います。牛肉、豚肉、鶏肉、その他にもうさぎ、羊、イノシシなど、そういった肉独特の香りをもう少し人に受け入れやすいように、いろいろなスパイスを使うんです。

上柳:なるほど。

大平:あと、辛味を付けるのもスパイスの大事な仕事です。また、色も付けます。

上柳:カレーの色がそうですよね?

大平:はい、カレーの他にもパエリアとかも凄くきれいな色をしていますよね。あれもスパイスの色付け効果です。また、私たち現代人がとても大切にしていることですが、食欲増進、消化吸収の補助、発汗、胃を健やかに保つなど、こういった健康的な作用が注目されています。

■カレーは飲む美容液!?

上柳:カレーは飲む美容液、これはどういうことですか?

大平:カレーには「ターメリック」「シナモン」「クミン」など、スパイスがいろいろ入っています。よく、有名シェフが作った30種類のスパイスカレーとかもありますが、スパイスがたくさん入っているということは、いろんな薬効を持つものがうまく組み合わさっているということなので、一番体にいいものなんじゃないかな、と私は思っています。

カレーは飲む美容液! 専門家が解説、スパイスのうれしい効果とその使い方

「ターメリック」

大平:必ずカレーに入っている「ターメリック」というスパイスですが、最近すごく話題の「クルクミン」という成分が入っています。とにかく効果はいっぱいあるのですが、美容効果について紹介すると、肌細胞の老化に影響を及ぼす物質の働きがあり、それを抑制する効果がターメリックにあると言われています。紫外線の一部を跳ね返したり、吸収しにくくしたりする効果もあるんじゃないか、という研究結果が出ています。

上柳:大平さんがいくつかスパイスを持って来てくださって、目の前にターメリックがあります。お店でもこの黄色い粉の状態を見ますが、元々はどんな感じのスパイスなのですか?

大平:イメージとして、生姜みたいな感じです。ちょっと細長い生姜のような感じで、乾燥させて粉にすると、こういうお店でよく見かけるような状態となります。

「シナモン」

大平:こちらも美容的な効果を紹介すると、シナモンは血管の収縮を促すと言われていますので、むくみにくい体質に近づけると期待されています。

「クミン」

大平:クミンは、これさえあれば、中東とかインドのような雰囲気が出せるスパイスです。開封した瞬間にいい香りがしますよね。

上柳:香りをかぐだけで中東の音楽が流れる感じですよね。そしてお腹がちょっと空いてくる感じがしますね。

大平:実は食欲増進の効果も期待されているので、食べたくない時にこういう香りで気分を変えるのも、健康維持に繋がります。

上柳:このクミンですが、ひまわりの種を細く小さくしたような見た目ですね。パウダーではなく、粒の状態なのにこんなに香りがするものなのですね?

大平:そうなんです、だから細かく砕くともっと香りが強くなりますよ。

■「きんぴらごぼう」にクミンを使う

上柳:なにか、簡単なクミンの使い方はありますか?

大平:普段のレシピをクミンで変身させることができて、「きんぴらごぼう」にクミンを使います。

上柳:えっ?

大平:作り方は一般的な、きんぴらごぼうなんです。よく、きんぴらごぼうを作って最後にゴマをパラパラっとかけると思いますが、あれをクミンシードに変えるだけです。

そのままふりかけるのはちょっと抵抗があるという方は、きんぴらを作って火を止めるちょっと前にクミンシードを入れます。火をつけたまま絡めてなじませ、そのまま召し上がっていただくのも良いと思います。

上柳:きんぴらと言うと、しょうゆ味とか和のイメージですが、クミンシードを入れるとどんな感じになるんですか?

大平:表現は難しいですが、びっくりするような味がするわけでもなく、すんなりと入っていくんです。いろんな年齢の方にも食べて試していただきましたが、高齢者の方も「これはおいしいね!」と言っていただけたので、万人受けするものだと思っています。

上柳:遠いシルクロードを旅してきたクミンが、日本の食卓にふっと顔を出して、意外と繋がっているんだなと感じますね。

大平:そうですね。食は本当にいろんな繋がり方をするし、意外としょうゆと合うことも気付きました。どうしても、日本のものは日本のものと思いがちですが、こういうところに異国の風を吹かせることは、楽しいことだなと思います。

カレーは飲む美容液! 専門家が解説、スパイスのうれしい効果とその使い方

■「肉じゃが」にクミンを使う

大平:クミンは肉じゃがにも合うんですよ。

上柳:肉じゃがに?

大平:実は合うんですよ。先ほど紹介したきんぴらごぼうと同じやり方で、肉じゃがを作って終盤あたりに、クミンシードを鍋の中に入れるだけです。気になる方は、クミンシードを入れた後に混ぜて一煮立ちさせるだけです。

そもそも、芋とクミンの組み合わせは、インドではよく使う組み合わせなんです。にんじんや、大きめに切ったタマネギとも、なんか合うんですよ。

上柳:「なんか合う!」としか言いようがない、そんなおいしさなんですかね?

大平:そうなんです、「なんか合う!」という言葉が一番分かりやすいかなと。

上柳:肉じゃがといえば和食の代表ですが、ご高齢の方も「これはおいしい!」と言って好評だそうですね。

■スパイスの保存方法

上柳:スパイスは、例えば胡椒なんかも、ホール状のものとパウダーの状態のものがありますが、大平さんはどちらをお使いになっているんですか?

大平:私は香りにこだわりたいので。香りは瞬時に飛ぶものなので、粒とか形があるまま保存をしておいて、調理する時に細くして使うようにしています。

上柳:なるほど、ホール状のものを買って、使う時に砕くのですね。

となると、パウダー状のスパイスを使わないで、いつまでも瓶の中に入れたまま台所に放置しておくと、香りが飛んでしまっているということですか?

大平:そこは保存の方法でだいぶ違います。スパイスをスーパーで買うと、ラベルが貼ってあって、あまり中身が見えないですよね?

上柳:そうですね、よく見えないですよね。

大平:ビンの底を見ないと中が分からないものが多いですが、スパイスは紫外線にすごく弱いので、しっかりと覆っているんです。

上柳:なるほど、光が入らないようにしているんですね。

大平:紫外線に弱いので、冷暗所保管、なるべく暗いところ、引き出しの中などにしまってください。

おいしさだけでなく、多くの健康・美容効果も期待されているスパイス。「ターメリック」「シナモン」「クミン」などのスパイスというと、中近東やアジアのスパイシーな料理を想像しがちだが、最後の仕上げにちょっと使うだけで、上手に和食に生かすことができる。いつものレシピに加え、味わいの意外な広がりを楽しんでみては。

スパイス&ハーブの専門家・大平美弥さんと、上柳昌彦アナウンサーの詳しいトーク内容は、「食は生きる力今朝も元気にいただきます」特設コーナーHP(https://www.1242.com/genki/index.html)から、いつでも聞くことが可能だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

番組情報

食は生きる力 今朝も元気にいただきます

毎週月曜・金曜 5:25頃

番組HP

「上柳昌彦 あさぼらけ」内で放送中。“食”の重要性を再認識し、「食でつくる健康」を追求し、食が持つ意味を考え、人生を楽しむためのより良い「食べもの」や「食事」の在り方を毎月それらに関わるエキスパートの方をお招きしお話をお伺い致します。
食の研究会HP:https://food.fordays.jp/

Page top