『サイド バイ サイド 隣にいる人』坂口健太郎、不思議な力で人々を癒す青年を好演

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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1115回】

『サイド バイ サイド 隣にいる人』

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シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画・ドラマを発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

今回は、現在公開中の『サイド バイ サイド 隣にいる人』と『ヴィレッジ』をご紹介します。

『サイド バイ サイド 隣にいる人』

映画館で観たい!『サイド バイ サイド 隣にいる人』 ~伊藤ちひろ監督が描く、人と人との距離感

不思議な能力を持つ青年が自分自身の過去と向き合っていく姿を描いたドラマ『サイド バイ サイド 隣にいる人』。

主演の坂口健太郎をはじめ、齋藤飛鳥、浅香航大、磯村アメリ、井口理(King Gnu)、市川実日子。個性的なキャストが集結し、切なくも美しい物語が誕生しました。

『サイド バイ サイド 隣にいる人』

『サイド バイ サイド 隣にいる人』のあらすじ

そこに存在しない“誰かの想い”を見ることができる青年、未山。彼はその能力を使って、周囲の人々の心身を癒しながら、恋人・詩織と彼女の娘・美々と一緒に、静かに日々を過ごしていた。

ある日、自身の隣に“謎の男”が見えるようになった未山は、その男の“想い”をたどり、東京へと出かける。

男の名は、草鹿。未山の高校時代の後輩だ。未山は草鹿を通じて、以前の恋人・莉子と再会。彼女の存在によって、未山の過去が紐解かれていく……。

『サイド バイ サイド 隣にいる人』

『サイド バイ サイド 隣にいる人』 ~伊藤ちひろ監督が語る見どころ

本作の監督・脚本・原案を務めたのは、現在上映中の『ひとりぼっちじゃない』に続き、早くも監督作2作目が公開となる伊藤ちひろ監督。

リアルとファンタジーが混在する“マジックリアリズム”が息づく本作。坂口健太郎が演じる主人公・未山について、伊藤監督は「ボーダレスなキャラクター」だと語ります。

「未山という主人公は、第六感が鋭い。敏感で特別な力を持っているんですね。そして、人が無意識に引いてしまいがちな“境界線”を持っていないんです。だから生と死に対しても同様だし、相手が人間でも動物であっても、分け隔てなくすべての感情や思いを読み取れるようなキャラクターというイメージが当初からありました。人との付き合い方も、家族とか結婚とかについても、一般的な選択肢から外れたスタイルで生活していけるような存在。物語自体もどこか寓話的なので、できるだけ“境界線”をなくすような描き方を意識しました。坂口さんは、とても感性が豊かな方。どこか現実離れした未山という人物を充分に理解したうえで、圧倒的な透明感をもって演じてくれたと思います」

『サイド バイ サイド 隣にいる人』

伊藤監督によると本作は、前作『ひとりぼっちじゃない』同様、人と人との距離感がテーマになっているとのこと。

「私がこの脚本を書いたときは、まだコロナ前でした。でもコロナ禍となってからは、“誰かの隣にいること”が簡単ではない世の中になってしまった。最近は、また少し環境に変化が生まれてきて、人々は自分にとって心地いい距離感を取り戻そうとしている。そういう意味では、観る人の心に届きやすいタイミングでの劇場公開になったのではないかなと感じています。この映画は“理解できる、できない”ではなく、観終わったあとに感じたことが、きっとその人にとっての“物語”なんじゃないかと思います」

『サイド バイ サイド 隣にいる人』

自らが生み出す作品の世界観と同様に、研ぎ澄まされた感性の奥に神秘性を感じさせる伊藤ちひろ監督。

人の気配、体温。そして、大切な誰かを想う心。目には見えない、直接触れることができないものをスクリーンを通じて感じられる『サイド バイ サイド 隣にいる人』。

この春、大きなスクリーンで是非、体感して欲しい1作です。

『ヴィレッジ』

コチラも映画館で観たい!『ヴィレッジ』 ~現代日本の縮図が垣間見える

『新聞記者』『ヤクザと家族 The Family』など、話題作を手がける藤井道人監督最新作。同時に、2022年6月に急逝したエグゼクティブプロデューサー・河村光庸氏の遺作となった『ヴィレッジ』。

夜霧が幻想的な集落、霞門村。巨大なゴミの最終処分場で働く主人公・片山優を通じて、きれいごとだけでは生きていけない人々のリアルが描かれていく。

同調圧力、格差社会、貧困。“村”という閉ざされた世界に潜むのは、社会構造の歪みや闇。圧倒的な映像美と人物描写で、現代日本の縮図が鮮烈に映し出された、衝撃のヒューマンサスペンス。

主演の横浜流星をはじめ、俳優たちの熱量の高い演技は必見です。

『サイド バイ サイド 隣にいる人』

『サイド バイ サイド 隣にいる人』

TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中
出演:坂口健太郎、齋藤飛鳥、浅香航大、磯村アメリ、茅島成美、不破万作、津田寛治、井口理(King Gnu)、市川実日子

監督・脚本・原案:伊藤ちひろ
企画・プロデュース:行定勲
音楽:小島裕規 “Yaffle”
主題歌:「隣」クボタカイ(ROOFTOP/WARNER MUSIC JAPAN)
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C) 2023 『サイド バイ サイド』製作委員会
公式サイト https://happinet-phantom.com/sidebyside/

『ヴィレッジ』

『ヴィレッジ』

2023年4月21日(金)から全国ロードショー
出演:横浜流星、黒木華、一ノ瀬ワタル、奥平大兼、作間龍斗、淵上泰史、戸田昌宏、矢島健一、杉本哲太、西田尚美、木野花、中村獅童、古田新太
監督・脚本:藤井道人
音楽:岩代太郎
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
配給:KADOKAWA/スターサンズ
(C)2023「ヴィレッジ」製作委員会
公式サイト https://village-movie.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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