親の介護 介護の費用は月にどのくらい必要なのか?

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東京都医師会理事で「西田医院」理事長の西田伸一氏が5月17日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。要支援や要介護状態になる原因について、また、費用について解説した。

親の介護 介護の費用は月にどのくらい必要なのか?

※画像はイメージです

骨折をきっかけに認知症の素質が症状として顕在化して認知症になる場合も

飯田浩司アナウンサー)要支援や要介護の状態になる原因には、どんなものがありますか?

西田)統計的には、要支援状態になる方の多くは関節の病気が原因です。膝の関節炎や変形、また転倒したケガによる骨折などが多いと言われます。一方で要介護4・5は脳卒中、認知症の方が多いです。あとは衰弱や骨折ですね。

新行市佳アナウンサー)骨折がきっかけで認知症になったという話を聞いたことがあるのですが、どうなのでしょうか?

西田)骨折によって認知症を発症するのではなく、骨折による痛みで体が動かせなくなる療養上のストレスによって、もともとあった認知症の素質が症状として顕在化してくるのです。

新行)骨折によって。

西田)ご主人を亡くした奥さんが急に認知症になるというケースがありますが、それは突然、認知症を発症するのではなく、もともと準備段階にあった認知症が顕在化してくると考えていただいた方がいいと思います。

新行)きっかけになるのですね。

西田)そうです。

介護保険制度においても重要な役割を果たすかかりつけ医

飯田)先生もご高齢の方々を多く診ていらっしゃると思いますが、介護保険制度におけるかかりつけ医の役割はどんなものですか?

西田)とても大事な役割です。一般的に医療は医療保険で、介護は介護保険で対応することになっていますが、介護保険を申請するときの意見書は主治医が書きますし、訪問看護あるいは訪問リハビリを導入するときの指示書も医師が書きます。指示書がないと始められないのです。

飯田)そうなのですね。

西田)あとは介護関係者にさまざまな病状等の情報提供を行う。あるいは患者さんのお宅に関係者が集まり、「ケアプランはこれでいいのか」と議論するサービス担当者会議の場がありますが、そのようなところにも積極的に参加します。介護保険制度においても、かかりつけ医の多職種への役割は非常に大きいと思います。

親の介護 介護の費用は月にどのくらい必要なのか?

新行市佳アナウンサー、西田伸一氏、飯田浩司アナウンサー

介護にかかる費用は月平均で約5万円

飯田)介護することになった場合、介護保険の支給額など、お金の面ではいくらぐらいかかるのでしょうか?

西田)大体3万~7万円ぐらいの幅で、月平均では約5万円のところが多いですね。ただ、介護保険には月間支給限度額があります。

飯田)月間支給限度額。

西田)現在、要介護2の場合の限度額は19万7050円になっています。その範囲内であれば1割負担なのですが、それを超えると自費になります。

飯田)なるほど。負担を減らしたいと考えると、在宅を選択する方も多いと思いますが、その辺りの注意点はありますか?

西田)「少しでも安く」ということで在宅を選ばれる方がいますが、そこには必ず無理が伴います。よくケアマネージャーと相談していただき、少しでも安上がりかつ外からの支援をうまく増やしていく必要があります。非常に難しいところではありますが。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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